さつまいもの食べ方といえば、やっぱり焼き芋!
でも最近のさつまいもは種類が豊富。見た目は同じように見えるさつまいもでも、品種によってその味わいや食感はさまざま。
ねっとり、しっとり、ホクホクといろんなタイプがあります。
さつまいもの種類とその特徴を知って、自分好みの焼き芋を食べてみませんか?
今回は、タイプ別のさつまいもの品種やその特徴と、タイプ別の焼き芋の作り方について、ご紹介していきます。
さつまいもの品種
さつまいもはざっくり分けると、昔ながらのホクホクとしたタイプと、最近人気のねっとり&しっとりとしたタイプに分けられます。
ここではそれぞれのタイプのうち、スーパーでも見かける代表的な品種をご紹介します。
ねっとり&しっとりタイプ
安納芋
甘い焼き芋がお好みなら、間違いないのが「安納芋」です。焼くと皮の外側に蜜が浮き出るほど糖度が高く、じっくり焼いて、濃厚な甘みとねっとりとした食感が楽しめます。
もともとの甘みが強い上に、加熱調理することでさらに甘みが強くなるため、焼き芋に最適です。
紅はるか
安納芋の対抗馬。安納芋に負けないくらい甘く、安納芋のねっとりとした食感に比べて、昔ながらのホクホクした食感を残したしっとりとした食感です。そのため後味がスッキリとして、強い甘みがありながらも上品な味わいをもっています。
シルクスイート
なめらかでスッキリとした上品な甘さで、繊維が少なくまさにシルクのような舌ざわり。中身の色は、安納芋よりやや薄めの黄金色。
しっとり甘いさつまいもですが、熟成することによりさらにねっとり甘く変化します。
ホクホクタイプ
紅あずま
関東の代表的な品種。縦に細長く、赤紫色の皮に対して黄色い身をしていて、見るからに美味しそうなさつまいもです。
飽きのこないやさしい甘さは、栗に近い味わいをもっています。
ホクホクした食感が特徴ですが、熟成がすすむ年明けごろには甘みとしっとり感が増しますので、年明けが一番のおススメです。繊維質も少なく、なめらかでホクホクとした食感は食べやすく、あらゆる調理に利用できます。
鳴門金時
関西では定番のさつまいも。鳴門金時は砂地で栽培され、海のミネラルがたっぷりな環境で育てられています。綺麗な赤紫色の皮をむくと、クリーム色の身をしています。これが火を通すと黄金色に輝き、見るからに美味しそうな焼き芋になります。
食感はホクホクよりも少ししっとりとした印象で、食べたあと舌に残るやさしい蜜のような上品な甘さがあります。
食べごろ
さつまいもは追熟することで甘くなります。品種によっても異なりますが、収穫後に1~2ケ月ほど13℃~15℃の環境で保存すると、美味しさが増します。
スーパーなどで販売されている物は、しっかりとした管理のもと適温適湿で追熟されたものですので、買ってきてすぐに食べられます。ただし食べてみて甘みが足りないと感じる場合には、ご家庭でしばらく保存して追熟するといいかもしれません。
さつまいもの保存方法
購入した時のビニール袋をはずして段ボール箱などに入れ、新聞紙をかぶせるなど乾燥させない様にして保存します。さつまいもは寒さに弱いため、冬場の冷気には注意が必要です。
5℃を下回るとさつまいもは低温障害を起こし、腐りやすくなります。また、18℃を超えてくると、今度は芽がでやすくなります。冷蔵庫の野菜室は10℃前後で温度が低すぎるため、さつまいもの保存には向いていません。
たくさんある場合は、小さい物ほど傷みやすいので、小さい物から順番に食べるのがおすすめです。
焼き芋の作り方もいろいろあります
さつまいもの特徴は甘いこと。焼いたり蒸したりと、簡単なおやつとして食べることが多いですよね。
ここではしっとり・ねっとり・ホクホクと異なるタイプのさつまいもが、どんな作り方で作るとおいしい焼き芋になるのかを、ご紹介していきます。
しっとり・ねっとりタイプ
オーブンやトースターで低温で長時間焼くと、甘みが増します。水分が多いさつまいもは、加熱時間を少し長くして水分を飛ばすことで、甘さが凝縮されしっとりとしたおいしさが味わえます。
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ホクホクタイプ
炊飯器の玄米モードで蒸すと、水分が保たれて簡単にしっとり甘くなります。
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水分が少ないさつまいもをオーブンやトースターで焼く場合は、焼く前に塩水に30分ほど浸しておくと、ほどよくしっとりして甘みが増します。また加熱時間を少し短くすると、適度な水分が保たれてしっとりとした甘さになります。
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まとめ
お好みの焼き芋が
「ねっとりした濃厚な甘み」なら安納芋
「ホクホク感を残したしっとりした甘み」なら紅はるか
「シルクのようななめらか~な舌ざわりの上品な甘み」ならシルクスイート
「ホクホクで栗のような上品な甘み」なら紅あずま
「ホクホク~ややしっとりした上品な甘み」なら鳴門金時
をおすすめします。
さつまいもは追熟することで甘みもしっとり感も増しますので、出回りはじめよりも少し待ってから焼き芋にした方が、より美味しく食べられそうですね。
ねっとり・しっとりタイプを焼き芋にする場合は
- オーブンやトースター、グリルなどの直火で低温でじっくり焼く
- アルミホイルでは包まない(包むと蒸しイモになり、皮がしっとりします)
とパリッとした皮の石焼いも風にできます。
ホクホクタイプを焼き芋にする場合は
- 炊飯器の玄米モードでじっくり蒸す
- オーブンやグリルで焼く場合は、塩水に事前に30分浸けて、低温で火を入れる時間を短めにする
と水分を残しつつ甘みを引き出して、美味しくできます。
焼き芋を美味しくつくるには、さつまいもの特徴を捉えて水分量をほど良く減らしたり残したりすることで、絶妙な甘みとしっとり感を保つことが大切です。
また、甘みの乗った旬のさつまいもを使うことが、一番おいしく食べる方法なのかもしれませんね。
「果報は寝て待て」ともいいますし、美味しくなるまでじっと待つのが、美味しいものを食べるコツなのかも。