里芋は秋になると食べたくなる食材ですよね。とろっとした煮っころがしは、家庭料理の定番です。
「たまには煮っころがしでも作ろう」と思っても、里芋って選ぶのが難しくないですか?土がついていて状態が分かりづらく、買ってから傷んでいたなんてこともありますよね。
また、土つきの野菜は洗うのが面倒だし、下処理にも手間がかかって敬遠しがちになることも。
今回は、失敗しない里芋の選び方と、手軽にできる下ごしらえの方法をご紹介します。
失敗しない!里芋の選び方
里芋は土がついて売られているものが多く、見た目は真っ黒で袋にいくつか入って売られていることが多いですよね。
このため、外からでは良し悪しが分かりにくい食材のひとつです。切ってみたら傷んでいたなんてこともありますよね。
里芋は傷みやすい食材なので、新鮮なものがより美味しいです。
選ぶときは、「鮮度が保たれているか?」を基準に選ぶといいと思います。
里芋の良いものはコレ!
- 泥や土がついている(湿っている)もの→鮮度と風味が保たれる
- しま模様が均等で、くっきりと見えるもの
- 実がふっくらと丸く、腰が張っているもの
- 重みがあるもの
選ばないほうがいいものはコレ!
- パッケージの中で蒸れている→カビやすくなる
- 皮に傷や芽があるもの
- おしりを見て、フカフカしているもの→すでに傷んでいる
里芋を切ってみたら、赤い斑点があって傷んでいるのか心配になることがあります。
これは里芋が低温にあったために、低温障害を起こしたもの。 赤い色は、さといもに含まれるポリフェノールの一種「アントシアニン」です。
食べても害はありませんが、ガリガリして固い場合があります。気になる方はとりのぞいてから、調理しましょう。
里芋の選び方、わかりましたか?
次に、里芋の保存方法についても見ていきましょう。
うっかりそのまま置いておくと、カビが生えたり傷んでしまいますよ。
里芋の保存のコツ
里芋を買ってきたポリ袋に入れっぱなしにすると、カビが生えてしまいます。
里芋は袋から出し、土がついたままで新聞紙に包み、冷暗所に保存しましょう。こうすると2週間ほど日持ちします。
里芋の下ごしらえはコレでOK!
里芋は調理内容によって、適切な下処理が必要です。
生のまま皮をむくと手がかゆくなりますが、皮付きでゆでたり蒸したりすることで、皮がつるんとむけるようになります。つるんとむけた方が、やっぱり楽でいいですよね。
このとき里芋にある程度火が通るので、お料理に合わせてお好みで選んでくださいね。
まずは、皮をつけたまま下ごしらえをする方法です。最初に里芋をタワシなどでゴシゴシ洗い、土を落としてきれいにしておきましょう。
里芋を皮のままゆでる
洗った里芋を熱湯で3分ほどゆでて、冷水にとってから手でむくと、かたい外皮だけがつるりとむけます。
手がかゆくなることもなく、里芋の特徴であるぬめりやうまみも残ります。
里芋には、完全には火が通っていないので、様々なお料理に活用することができますよ。
里芋を皮ごとレンジで蒸す
洗った里芋を、皮ごと電子レンジの600Wで2分ほど加熱します。
皮がつるんとむけて、里芋がホクホクになります。
そのまま塩をふったり、皮つきのまま食卓に出してきぬかつぎにしたり、潰してコロッケなどにも使えます。
ゆでてから皮をむいて粗くつぶしたものを、フリーザーバックに入れて冷凍保存することもできます。
これを使うとコロッケもすぐできますね。
次に、里芋の皮をむいてから、ぬめりやアクを取る方法です。
煮物などに使う場合は、ぬめりがあると調味料が染み込みにくい上に、煮汁が泡立って吹きこぼれたり、火の通りが悪くなったりします。
里芋を塩でもむ
皮をむいた里芋に塩をふり、もんだあとに洗い流します。
里芋をゆでこぼす
皮をむいた里芋を、水からゆでて沸騰させます。ぶくぶくと泡が出てきたら、水にとってぬめりを洗い流します。
ぬめりを生かすようなお料理の場合(煮っころがしなど)は、皮をむいて洗った里芋を、キッチンペーパーなどで軽くふいてぬめりを取るだけにしてもいいですよ。
逆にとろみをつけたくない場合は、塩でもんだあとにさらにゆでこぼすと、よりすっきりとした煮物になります。
包丁で里芋の皮をむく場合は、タワシなどでよく洗ったあとに、水気を拭いてしっかり乾かしてからにしましょう。ぬれたままだとぬめりが出てしまい、扱いにくくなります。
包丁でさといもの上下を浅く切り落とし、6面になるように幅を調整しながら縦方向に皮をむく「六方むき」が煮物にはおすすめです。
生のままの里芋の皮をむくと、手が痒くなることがあります。
これは皮のちかくに多く含まれる「シュウ酸カルシウム」が原因です。シュウ酸カルシウムは針状の結晶になっていて、皮膚に刺さることでかゆみや痛みをおこします。
手が痒くなってしまったときは、酢水につけるとかゆみが軽減しますよ。
まとめ
里芋の選び方は次の4つ。
- 泥や土がついている(湿っている)もの→鮮度と風味が保たれる
- しま模様が均等で、くっきりと見えるもの
- 実がふっくらと丸く、腰が張っているもの
- 重みがあるもの
下ごしらえは
「皮ごと加熱してから簡単に皮をむく方法」
「皮をむいてからぬめりとアクを抜く本格的な方法」
をご紹介しました。
どれも知ってしまえば、それほど難しくありませんよね。
いままで、あんまり生の里芋を使ってなかったという方も、これを機会に美味しく召し上がっていただけると幸いです。