独特の風味と歯ごたえを持つ、ごぼう。
「いつでもスーパーで見かけるけど旬っていつ?」
「泥がついているのとないのがあるけど、どうやって選んだらいいの?」
「洗い方やアク抜きの方法がわからない」
「おいしく食べるコツってある?」
今回は、そんなごぼうの疑問を解決していきます。
ごぼうの種類と旬
ごぼうは平安時代に薬草として中国から渡ってきたもので、日本ではきんぴら、煮物、お鍋にサラダと古くから親しまれているおなじみの野菜です。
意外にも日本以外で食べている国は、台湾や韓国など一部の国だけなんだそう。最近では和食ブームもあってか、フランスでも食べられるようになったようですよ。
種類
一般的にスーパーで見かける品種は、滝野川ごぼう。
直径が2~3cm、長さが1mほどの細長いごぼうです。東京都北区滝野川が発祥で、現在は全国で栽培されています。
このほかに太いごぼうで有名なのは、千葉県大浦地区特産の大浦ごぼう。
直径が10cmもある極太サイズで、希少な品種となっています。中が空洞になっていて、そこに肉を詰めて煮込んだり、精進料理などにも使われています。
旬
ごぼうの旬は11~1月。
この時期のごぼうは香りがよく、歯ごたえもシャキシャキしておいしく食べられます。
新ごぼうの旬は3~9月。
成長し切っていない若いうちに収穫されるので、食味は柔らかく風味も上品。「夏ごぼう」とも呼ばれ柔らかく風味もいいので、柳川鍋には欠かせない存在です。
ごぼうの選び方
おいしいごぼうを選ぶには、まずは全体的なシルエットを見てみます。
全体の太さが均一で、デコボコがなくまっすぐ伸びているものを選びましょう。
太すぎるものは、中に「す」が入って空洞になっている場合もあるので、ほどよい太さのものがよいようです。
表面がしおれていたり、ひび割れていたりするものは、鮮度が落ちています。また、ヒゲ根の跡の間隔が均一でまっすぐなもののほうが風味が強く感じられます。
手に取ってみて、ハリがあるものがおすすめです。
水分が抜けたものは、持ちあげると先の方がグニャっとして、みずみずしさが感じられないです。先端の細いほうまでピンとしているものを選ぶとみずみずしいです。
泥付きのごぼうとあらいごぼうがありますが、泥付きの方が風味がよく日持ちもします。
おいしく食べるには
旬のごぼうは香りや風味が強くて、旨味が多いもの。この美味しい成分は皮の部分に多く含まれているので、皮は剥かずに下処理するようにします。
ごぼうの下処理の方法
泥つきのごぼうは、表面をたわしなどでゴシゴシ洗う程度で汚れを取り除くことができます。
それでも泥が気になるようであれば、包丁の背で皮をこすり、こそげ落とすようにして汚れを落とします。
たわしが無い場合は、アルミホイルをクシャっとまるめてこするといいですよ。
汚れを落としたら、好みの大きさに切る前に、すりこぎや麺棒などでたたいておきます。瓶の底でもいいですね。ごぼうがつぶれない程度に、軽くたたきましょう。
たたくことで硬い繊維が壊れ、味がしみこみやすく火の通りも早くなりますよ。
ごぼうのあく抜きって必要なの?
母には、ごぼうをささがきにしたら、あく抜きをするために酢水や水にさらすように教わりました。でも最近のごぼうはあくが少ないので、あく抜きの必要はないようです。
あくの正体はポリフェノールという機能性成分です。旨味や風味が詰まっている重要な成分なので、できるだけアク抜きは控えることをおすすめします。
白く仕上げたいなどであく抜きをする場合は、酢水で手短に5分程度にとどめ、せっかくの旨みや風味が流れ出てしまわないよう気をつけましょう。
まとめ
泥がついているんだからきれいに洗わなくちゃ、と思われがちなごぼうですが、実は皮の部分にこそ香り成分や旨味が豊富に含まれているんですよね。
だから皮を残すためにも、タワシなどで優しく洗うのがおすすめです。
洗いごぼうは出荷された時点できれいに洗われています。洗わず手軽に使えるんですが、多少風味は落ちてしまっていますね。
また、最近のごぼうはあくが少なく、あく抜きの必要がありません。あく抜きを控えた方が、旬のごぼうを香り高く、みずみずしく食べられます。
正しく下処理をし、旬の時期にこそ楽しめる美味しさを堪能しましょう。