干ししいたけは戻して使うものですが
戻し方には少しコツがあります。
コツを知っていれば干ししいたけの旨みや栄養を
存分に味わうことができますよ。
- 戻す時の水の量や戻し時間がわからない
- 早く戻す方法があるけど大丈夫なのか
- 干ししいたけを美味しく戻したい
干ししいたけをおいしく戻すコツをご紹介しつつ、そんなギモンにお答えします!
干ししいたけの戻し方
干ししいたけを美味しくふっくら戻すには、いくつかのコツがあります。
基本は水に浸けておくだけなので面倒なことは不要ですが、水に浸ける際にちょっとしたコツを知っているかどうかで干ししいたけの旨みや香り、栄養価がぐ~んとアップするんですよ。
- 天日干しする
- 洗わずキレイにする
- 水で戻す
- 戻し時間の目安
- 水の量の目安
- 低温でゆっくり戻す←一番大事
これらのコツを知っていれば、どなたでも干ししいたけを美味しくふっくら戻すことができますので、ぜひ試してみてくださいね。
コツ1:戻す前に天日に干す

干ししいたけは乾燥しているのに、なんでまた天日に干さなきゃならないの?
干ししいたけは天日に干すだけで香りやうま味がアップし、ビタミンDの含有量がなんと約10倍にも増量するんです。
ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きがあるので、成長期のお子さんやお年寄りにもとっても嬉しい効果ですよね。
干し方は上の写真のようにヒダを上にして、お天気の良い日にお日さまに2~3時間あてるだけ。これだけで美味しさや栄養がアップするんだから、干ししいたけを戻す前には必ずやっておきましょうね。
干すのは干ししいたけを調理する直前でなくても大丈夫です。当日お天気が良いとは限りませんし、朝から料理に取りかかる場合もありますよね。
干ししいたけを買ったらお天気の良い休日の昼間に2~3時間お日さまにあてておきましょう。干したしいたけは十分冷ましてからジップロックなどの密閉できる袋に空気を抜いて入れ、冷蔵庫に入れておきます。こうしておけば、使いたい時にすぐ戻す準備に入れますよ。
干した効果は1ヶ月くらいでなくなってしまうので、天日干ししたあとの干ししいたけは早めに戻してお料理に使ってくださいね。もし1ヶ月がたってしまっても、もう一度同じようにお日さまにあててあげれば効果は復活しますので大丈夫ですよ。
コツ2:干ししいたけは洗わずキレイにする
さて、戻す前に干ししいたけは天日干しされましたでしょうか?
つぎは干ししいたけを観察し、汚れているようであればキレイにしておきましょう。
汚れていなければそのままでも大丈夫です。
洗わなくて良い理由やキレイにする方法は、こちらの記事をご参考にどうぞ。
コツ3:『水戻し』で旨みたっぷり!ふっくらおいしく
電子レンジやぬるま湯で時短で戻す方法もありますが、あれはあくまでも干ししいたけをしいたけの代用品として食べるときの方法です。急いでいるときにはすぐに戻るので重宝しますが、ここではおすすめしません。
干ししいたけが本来もっているうま味や栄養をそのまま摂りたいのなら、水戻し一択になります。
なぜかというと、レンジで加熱したりぬるま湯や熱湯につけてしまうと、干ししいたけの旨み成分である『グアニル酸』が減ってしまうからです。この旨み成分は生のしいたけにはないもので、しいたけを干すことによってつくられます。
せっかく干すことによって美味しくなったのに、旨みが半減してしまうのは残念なことですよね。
コツ4:戻し時間はしいたけによって違う
しいたけにはおもに『どんこ』と『こうしん(香信)』の2つの種類があります。
もともとおなじしいたけなのですが、出世魚のようにカサの開き具合によって呼び名が変わるんです。
しいたけは『どんこ』→『こうしん』となり、カサが開ききったら『バレ』と呼ばれ、あとは胞子を飛ばしてその一生を終えます。
『どんこ』はカサのふちが丸く肉厚で歯ごたえがあります。このためじっくり時間をかけて戻すととても食べ応えがあり、美味しくなります。
『こうしん』はカサが平らで薄いため、早く戻るので急いでいる時にはおすすめです。
スライスされた干ししいたけには、ほぼ『こうしん』が使われています。カサが薄いこうしんをさらにカットすることで、より短時間にふっくら戻すことができます。
- どんこ:半日ほど(10時間前後)
- こうしん:5~7時間ほど
- スライス:1時間ほど
丸のままの干ししいたけは戻す前に軸の部分を切り落としておくと、より早く戻すことができます。軸の部分にも栄養やうま味はありますので、捨ててしまったりしないで一緒に戻してくださいね。
目安時間よりも長く戻してももちろん大丈夫です。長く水に浸けておいた方がふっくらと戻ります。どんこなら丸1日かけて戻した方がよりふっくら美味しく戻りますよ。
2~3日水に漬けたままでも大丈夫ですが、3日めくらいからうま味成分のグアニル酸が減り始めますので早めに使うようにしましょう。
コツ5:戻すときの水の量を覚えておこう
干ししいたけなどの乾物を戻すときによく聞くのが、ヒタヒタという言葉。
でも戻す容器によっては、ヒタヒタの量も違ってきます。そして水が少なすぎると、「中までしっかり戻らずに芯が残ってしまった」なんてこと、ありますよね。
干ししいたけを戻すのに最適な水の量は、干ししいたけ10gにつき200ccを目安にしてください。干ししいたけ10gは一般的な大きさの干ししいたけ3個分くらいです。水200ccはコップ一杯分くらいを目安にしてください。
戻し汁をあとでだしとして使う場合も、この分量は守ってくださいね。少なすぎると戻りが悪くなってしまいます。
コツ6:低温でゆっくり戻す
干ししいたけは、冷蔵庫の設定温度である5℃前後の低温でじっくり戻すと甘みが出てふっくらと美味しく戻ります。
常温で戻す方もいると思いますが、干ししいたけを戻すときの温度が10℃を超えるとコツ2でお伝えしたぬるま湯や電子レンジで戻すときと同じように、旨み成分である『グアニル酸』が半減してしまいます。
また温度が高いと苦みがでてしまうため、特に気温の高い時期は要注意です。
戻し方はジップロックなどの保存容器や保存袋、ボウルなどに干ししいたけとコツ5でご紹介した適量の水を入れたら、冷蔵庫に入れておくだけです。あとはお使いの干ししいたけにあった時間ぶん待つだけで、美味しくふっくらと戻すことができます。
容器やボウルで干ししいたけが浮いてきてしまう場合は、落としぶたのように表面をラップで覆っておくといいです。干ししいたけを水に入れる向きはカサを上に、ヒダを下にしておくと軸の部分もふっくら戻ります。
保存袋に空気を抜いて入れておけば、干ししいたけが浮いてしまう心配もないのでおすすめです。
季節にかかわらず、干ししいたけは冷蔵庫で戻すようにしておけばふっくら美味しく戻せますので、これを習慣にしておいてくださいね。
まとめ
- 干ししいたけは戻す前に天日干しすればうま味も栄養もアップ
- 戻すときは時間・水量・温度が大切
干ししいたけは生のしいたけよりも、香り・味・栄養価の全てに秀でています。時短で戻す方法もあって便利ではあるんですが、それだと干ししいたけ本来の味わいがなくなってしまいます。
いちど今回ご紹介した方法で、美味しいしいたけ料理を堪能してみませんか?

戻したあとの干ししいたけや戻し汁の冷凍方法もご紹介しています。