「ザワークラウト」は、ドイツの伝統的な発酵食。
最近は日本でも乳酸キャベツとして広まってきました。
ザワークラウトは、キャベツのもつ植物性の乳酸菌を発酵させているので、
自然な酸味が特徴です。
少しだけ手をかけて、あとはゆっくり待っていると、
乳酸菌のたっぷり詰まったキャベツのお漬物のできあがりです。
ぬか漬けやキムチと同じ発酵食品が、もっと手軽にできるんです。
これは作らない手はないですよね。
発酵食を積極的に取り入れたいという方はもちろん、
野菜をふだんあまり食べないという方にこそ、ぜひ作って食べていただきたい食品です。
キャベツのかさが減って、思いのほかたくさん食べられます。
硬いキャベツがしんなりと柔らかくなって、
「噛むことがおっくうになった」というお年を召した方にも、
美味しく食べていただけるのではないかと思います。
また、日持ちもするので、作り置き野菜としても万能!
今回は、キャベツを生よりもっと美味しく食べられる、
「ザワークラウトの作り方」をご紹介します。
ザワークラウトの作り方
「ザワークラウト」の作り方はとっても簡単です。
キャベツと塩、これを合わせて重しをし、キッチンのすみに置いておくだけ。
すると、あら不思議。
数日まてば自然の発酵の力で、できあがっています。
つくるときに自分好みのスパイスを加えると、より風味高く味わいのある、「ザワークラウト」になりますよ。
キャベツって、ちょっと独特な香りがすることがありますよね。
あの香りが気になるという方には、スパイスを加えることをおススメします。
もちろん、スパイスには腐敗を防止する効果もあります。
ぬか床に鷹の爪を入れたりするのと同じですね。
材料と作り方
【材料】
〇 キャベツ・・・1/4玉(300g)
〇 塩(精製されていないもの)・・・キャベツの重さの2%(今回は6g)
〇 ローリエ・ 黒粒コショウ・キャラウェイシードなどお好きなスパイス・・・適量
【作り方】
- キャベツを千切りにし、キャベツの重さの2%の塩をふり、もみ込みます。
- キャベツがしんなりしたら、保存袋に詰めます。
- お好みの香辛料(なくても可)を振りかけて、空気を抜いて口を閉じます。
- キャベツと同じ重さの重しをして、常温で半日から一日置いておきます。
- 水分がでて、キャベツがひたひたになったら重しをはずします。
- 常温で夏なら2日、冬なら5~6日置いておきます。
水分が白濁し細かい泡がでてきたら、味見してみます。
お好みの酸味になったら、冷蔵庫に保存しましょう。
保存期間
冷蔵庫で夏は1~2週間ほど、冬なら一ヶ月ほど保存ができます。
写真と共にご紹介
では、写真をもとに詳しくご説明します。
まず、材料のご紹介です。
キャベツと塩、これが基本の材料です。
これさえあれば、ザワークラウトはできちゃいます。
今回はやわらかいサラダキャベツではなく、冬キャベツを使っています。
硬いけど甘みのある冬キャベツでつくるザワークラウトは、歯ごたえがあって旨みもある、格別なでき上りになります。
もちろん春には春キャベツで、夏には夏キャベツでもおいしく作れます。
春キャベツは柔らかくてジューシーな、夏キャベツなら歯ごたえのあるザワークラウトができますよ。
季節によるキャベツの種類については、こちらの記事もどうぞ。
塩の種類はお好みでなんでも良いのですが、管理人はいつもお漬物にはまろやかな粗塩を使っています。
ザワークラウトは、ドイツのお漬物です。
お漬物には塩が大切。
使うお塩は食卓塩などの精製塩よりも、ミネラルが豊富な自然塩を使うことをおススメします。
精製された塩を使うときは塩けが強いので、気持ち少な目にしてみてくださいね。
そこにお好みで、ローリエや粒黒胡椒、キャラウェイシードなどの香辛料を足すことで、本格的な味わいになります。
乳酸菌の自然な酸味のなかに、あなただけのオリジナルの風味が加わり、キャベツ特有の臭みも緩和されて、よりいっそうザワークラウトを楽しむことができますよ。
私の場合は、ローリエ、粒黒胡椒、クミンシードが常備されているので、今回はこれでつくります。
エスニックな風味のザワークラウトになります。
一緒に鷹の爪を入れると、保存性も高まりますよ。
スパイスについて
ザワークラウトによく使われるスパイスに、キャラウェイがあります。
キャラウェイはクミンと同じセリ科のスパイス。見た目もよく似ています。
でも風味は全く違います。
キャラウェイは甘く、でもちょっとクセのある香りで、パンやお菓子などにも利用されます。
クミンは少しスパイシーな香りで、インドのカレーには欠かせない存在です。
スパイスやハーブは、なんでもお好きな物を入れても大丈夫。
逆に入れなくてもかまいません。
入れることによって、風味を良くしたり、種類によっては腐敗を防いでくれます。
黒胡椒や鷹の爪などは、腐敗防止に役立ちますよ。
鷹の爪は、丸ごとの場合は種を取り除いてから入れてくださいね。
辛いのが苦手な方は、辛くて食べられないなんてことになるかも?
Step1:キャベツを千切りにし、キャベツの重さの2%の塩をふり、
もみ込みます。
キャベツは、芯つきの1/4カットの状態で葉を広げながら洗い、よく水気を切っておきます。
今回は1/4カットですが、キャベツを丸ごとザワークラウトにする場合は、キャベツの外の方の葉は汚れていることがあるので、1枚ずつはがしてからきれいに洗いましょう。
水にしばらく浸しておくか、50℃洗いで洗うといいです。
乳酸菌はキャベツを洗っても、無くなるわけではないので、洗っても大丈夫ですよ。
ただし、千切りにしてから洗うと、水溶性のビタミンが流れ出てしまいます。
千切りする前に、洗うようにしましょう。
50℃洗いって何?という方は、こちらの記事をどうぞ。
キャベツは千切りにするのが、本場ドイツ流です。
細かく切った方が、早く発酵するようです。
私は歯ごたえがあるほうが好きなので、今回は太め(8ミリくらい)の千切りです。
このあたりはお好みでどうぞ。
どんな切り方でも、それぞれ美味しいですよ。
キャベツの芯も、細かめに切って使います。
キャベツの外葉は青くて綺麗ですが、発酵すると茶色く変色してしまいます。
見た目を気にする方は、入れない方がいいです。
外葉は炒め物や、スープなどに使いましょう(^^)
Step2:キャベツがしんなりしたら、保存袋に詰めます。
しばらく置いておくと、しんなりして水分がでてきます。
そうなったら、保存袋にぎゅうぎゅうに詰めていきます。
今回はMサイズのジップロックにゆったり詰めることができました。
でてきた水分も、捨てずに一緒に入れてくださいね。
この水分が発酵を助けますよ。
Step3:お好みの香辛料(なくても可)を振りかけて、
空気を抜いて口を閉じます。
はじめにご紹介した、ローリエ、黒粒胡椒、クミンシードをパラパラと振りかけます。
最後に振りかけるのは、空気に触れる部分にフタをして、腐敗を防ぐためです。
水分が全体にゆきわたるように、空気をできるだけ抜いて、口を閉じます。
空気に触れていると、カビや腐敗の原因になります。
空気にできるだけ触れさせないようにしましょう。
Step4:キャベツと同じ重さの重しをして、常温で半日から一日置いておきます。
水分がでやすくなるように、またキャベツが空気に触れないように重しをします。
300mlのペットボトルをのせて、重しにしました。
後で思ったのですが、丸いボウルではなくて平らなタッパーなどに袋を入れておけば
未開封の塩の袋なんかでも、重しにできますね。
そのほうが、ペットボトルを立てるよりよっぽど安定します。
Step5:水分がでて、キャベツがひたひたになったら重しをはずします。
水分がたっぷりでてきたら、もう重しの必要はありません。
重しをはずして、あとは乳酸菌の発酵を待つだけです。
Step6:常温で夏なら2日、冬なら5~6日置いておきます。
水分が白濁して細かい泡がでてきたら、味見してみます。
お好みの酸味になったら、冷蔵庫に保存しましょう。
今回は冬場だったので、6日ほど常温で置いておきました。
気温の高い季節であれば、もっと短く2日くらいで酸っぱくなります。
発酵を待っているあいだに、袋が膨れてパンパンになります。
その場合は袋の口を開けて、空気を抜いておきましょう。
中はこんな感じに。
しっかりキャベツの色が抜けて、水分もたっぷり出ています。
ザワークラウトを食べてみる
いざ、試食。
シャキっとしていて、市販の瓶詰のものよりも食べ応えがあります。
う~ん、やっぱりできたてのお漬物って、おいしいです。
瓶詰のザワークラウトにはない、歯ごたえがたまりません。
酸味も程よく、うま~い(^.^)
キャベツが大好きで、お酢で漬けた「酢キャベツ」も良く作っています。
お酢は「酢酸(さくさん)」、こちらは「乳酸」。
どちらも酸っぱいのですが、ザワークラウトは程よい酸味がいいです。
クセになる美味しさです。
酢キャベツのつくり方は、こちらの記事をどうぞ
ザワークラウト、どう食べる?
そのままサラダとしても十分おいしいザワークラウトですが、お肉料理やお魚料理にも合うんですよね。
こってりしたお肉に、さっぱりとしたザワークラウトを添えると、いくらでも食べられます。消化も助けてくれますよ。
サンドイッチの具材としても、重宝します。
水気を切って刻んだザワークラウト、マヨネーズでゆで卵をあえて卵サンドにしたり、ハムサンドにきゅうりの代わりに使ったり。
そして、本場ドイツのように、ボイルしたソーセージにもぴったり。こってりソーセージを、さっぱりと食べさせてくれます。これにビールがあれば、言うことなし!
キャベツ1/4玉では、すぐに無くなってしまいそう。これは追加で1玉まるごと漬けないと。
またキャベツ買ってこなきゃ。
おわりに
今回は、ザワークラウトの作り方をご紹介しました。
ザワークラウトはドイツの発酵食品で、キャベツを2%の塩でもんでおくだけで、でき上ります。
食べると、植物性乳酸菌の力で、腸を整えてくれます。
食べても酸味が感じられて、塩けは全く気になりません。
きゅうりの浅漬けのばあいは1%の塩分で、ちょうどよい塩味に感じます。
塩分2%で作るザワークラウトは、やや塩分高めのようです。
血圧の高い方などは、その点気をつけてくださいね。
私はザワークラウトが大好きで、たくさん食べてしまうため、他のおかずを薄味にしたりして調整しています。