人参は、毎日の献立に欠かせない食材のひとつ。
お料理に人参を少し加えるだけで、パッと華やかになります。
そんな人参が、
「冷蔵庫に保存していたら、何故か黒ずんでいた」
こんなことありませんか?
皮の先っちょが黒いだけならまだしも、人参が全体的に黒くなることも。
なんだか表面もしなしなになってハリを失い
「食べて大丈夫なの??」という状態に。
人参が黒く変色してしまった場合は、まだ食べられる?
腐っているのか、それとも病気なのか。
今回は、人参が黒ずんどうしたらいいか迷った場合の対処法と、人参が黒くなる原因についてお伝えします。
人参が黒いってどんな状態?
人参が黒い状態というのは、人参の皮の先端が黒くなっていたり、皮全体の表面が黒くなっている場合です。
スーパーで売られている人参は、鮮度の良い状態であれば鮮やかなオレンジ色をしています。
もちろん品種によって色の違いはありますが、表面が黒い人参を切ってみると中は鮮やかな色をしています。この実の鮮やかな色が本来の人参が持っている色です。
人参の皮が黒ずんでいる、または変な色をしている場合は、切って中を見てみると本来の色を確認することができます。
切ってみて中はきれいな色をしていて実が硬ければ、黒ずんでいるだけで傷んでいるわけではありません。
人参が黒い!原因はなに?
人参が黒く変色している場合、原因は何にあるのでしょうか?
人参が黒ずんでしまったのは、空気に触れることと温度変化が原因です。
人参は根菜類ですから、もともと土の中で育ちます。
同じ根菜類の里芋やごぼうも土の中で育ちますが、これらは保存を良くするために、土つきで販売されていることが多いです。
でも、スーパーで売られている人参には土はついていませんよね?
人参は農家の方が収穫したあと、機械できれいに洗浄して、ヒゲ根や泥を落としてから出荷されます。
人参は同じ根菜の大根や長芋などと違って、もともと皮がとても薄い野菜です。
出荷のために人参を洗浄することで、表面の薄い皮がはがれて実の部分が剥きだしになり、乾燥しやすく傷つきやすい状態になってしまうんです。
傷つきやすくなった人参が、長く空気に触れていたり急激な温度変化にさらされることで、人参に含まれるポリフェノールが酸化して黒ずんだり、萎びたようになってしまうんです。
りんごを切って置いておくと、酸化して茶色く変色してしまうのと同じですね。
これも同じ理由で、乳酸菌の酸に反応して、人参の皮が黒ずんでしまうんですよね。
ポリフェノールは皮の部分に多く含まれているので、気になる方はぬか床に人参を入れる時は皮をむいてからにすると、きれいなオレンジ色を保てますよ。
黒くなった人参は食べられるの?
もちろん食べられます。
人参の黒ずみは、「ポリフェノール」が空気に触れて酸化したのが原因です。
腐っているわけではないので、美味しく食べられるんですよ。
「見た目がちょっと気持ち悪いな」という場合は、ピーラーなどで人参の黒くなった部分を薄く削ってあげると、鮮やかな色が蘇りますよ。
また、乾燥して萎びたようになってしまった人参は、しばらく水に浸けておくとある程度みずみずしさを取り戻すことができます。
30分から1時間くらい、水に浸しておくだけでいいですよ。
見違えるほどみずみずしくなります。ぜひ、やってみてくださいね。
時間がない!すぐシャキッとさせたいときは、「50℃洗い」をすると素早くみずみずしくなります。
やり方は、50℃のお湯に数分浸すだけです。
人参に限らず、野菜全般に使える技ですので、元気がなくなってしまった他の野菜も、
水に浸けたり50℃洗いでシャキッとさせてあげてください。
50℃洗いって何?という方はこちらもどうぞ。
人参が食べられない状態ってどんな時?
人参の黒ずみは食べられるというのは分ったけど、ほんとに傷んでいる状態との見分け方が分からないと、傷んだ人参を食べてしまうかもしれません。
食べられない状態の人参についてもご紹介しますね。
- 酸っぱいような異臭がする
- カビが見られる
- 色が変色(茶色など)している
- 柔らかくて萎びている
- 触るとヌルヌルする
- 切ってみたら中が水っぽくドロドロしている
これらの症状に当てはまったら、それは傷んでいる可能性が大です。
傷んだ部分だけを取り除くこともできますが、カビの場合は良さそうに見える部分も
カビに侵されていることがあります。残念ですが、潔く廃棄してくださいね。
人参の黒ずみを防ぐにはどうすればいいの?
ふだん人参を買って持ち帰ったあと、買ってきた袋のまま冷蔵庫に保存していませんか?
実は人参の保存に関しては、それはNG行為なんですよ。
スーパーでは数本がビニール袋に入れられて販売されています。
売っている状態のまま保存しておけばいいように思いがちですが、人参は空気に長く触れると黒くなりますが、湿気は傷みの原因になります。
人参がビニール袋に入れられているのは、乾燥を防ぐためです。
お店に並べられてから、ご家庭の冷蔵庫に入れられるまでの間の乾燥を防ぐために、ビニール袋に入れられているんです。
人参をビニール袋のままで冷蔵庫に入れていると、袋の中に水が溜まっていることがありますよね。
人参は湿度が高すぎると、ヒゲ根や芽がでやすく傷みが早くなるんです。
買ってきた人参を、自宅で黒ずむことなく保存するには、新聞紙を使うのがおすすめです。
人参の正しい保存方法
買ってきた袋から人参を取り出して、新聞紙に包みます。
このあとビニールの袋に入れて冷蔵庫で保存すると、人参の黒ずみを防ぐことができます。
新聞紙は人参からでる水分を吸収し、適度な湿り気を保ってくれます。
ほんのすこしの手間で人参の鮮度を保つことができるので、ぜひやってみてくださいね。
「新聞を取っていない」、「新聞紙を食べ物に使うのはちょっと…」というときは、キッチンペーパーでも構いませんよ。
また、人参は温度の変化にも敏感です。
一年中買える人参ですが、本来の旬は冬。
保存の適温は0~5℃と低く夏の暑さは苦手です。
ポリフェノールの酸化は、温度が高ければ高いほど早く始まります。
暑い季節の場合、お店で購入して持ち帰った後は、すぐに冷蔵庫で保存するようにしましょう。
人参を長く保存したいときは、こちらの記事をどうぞ
人参が黒い!食べる?捨てちゃう? :まとめ
人参の皮が黒い場合は、表面を削ってしまえば中身は美味しく食べられます。
人参はとてもデリケートな野菜で、保存方法をまちがうと、買ってきたばかりでも黒ずんだり萎びてしまうことがあります。
人参の正しい保存方法のコツは、低い温度・低い湿度です。
低い温度を保つために冷蔵庫の野菜室で保存し、その際は湿度を低く保てる新聞紙で包んでおくことです。
人参は乾燥も苦手なので、新聞紙で包んだ後はビニール袋に入れておきましょう。
どうせお料理を作るなら、少しでも「美味しそう」、「美味しかった」と言ってもらいたいものですよね。
毎日のように食事に使う人参を上手に保存して、彩りきれいな食卓を演出しましょう!
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