じゃがいもは使い勝手が良いためご家庭での常備率も高め。
でも、芽が出やすいのが悩みどころ。
うっかりすると皮がうっすらと緑色になっていることも。
昔からじゃがいもに芽が出ると
「芽は毒だから食べちゃだめ」と言われます。
芽が出たり緑色に変色したじゃがいも、
食べられるのか心配になったりしますよね。
毒があるんだからと、捨ててしまっていませんか?
芽がでたじゃがいもも、
きちんと下ごしらえすれば食べられますよ。
今回は、芽が出たり緑色になったじゃがいもの、
毒といわれるものの正体と
安全な下ごしらえの方法を解説します。
芽がでたじゃがいもは食べられる?毒がある?
たとえ芽が出たり、緑色に変色してしまったじゃがいもであっても、適切に下処理すれば食べられますよ。捨てないでください。
ただしじゃがいもの芽や緑色になった部分には、毒素が多く含まれています。
ですので、ここを食べてしまうと大変危険です。
体調によっては、食中毒の症状になることもあるんですよ。
これらの危険な部分を十分に取り除いてしまえば、安全に食べることができますよ。
どうぞご安心ください。
そこで次は、じゃがいもを安全に食べるための、危険な部分を取り除く下処理の方法をご紹介しますね。
芽がでた場合と、皮が緑色に変色した場合、それぞれの下処理の方法をお伝えしていきます。
芽がでたじゃがいもを安全に食べるには?
まずじゃがいもの芽は、根元を含めて完全に取り除きましょう。皮からうち側の部分も含めて、多めにえぐり取るようにするといいです。
皮むき器の芽かき部分でえぐるようにすると、きれいに取り除けますよ。
広い範囲に芽が生えてしまった場合は、グレープフルーツ用スプーンの先でえぐると、深くきれいにとり除くことができます。
やってみてくださいね。
皮が緑色に変色したじゃがいもを安全に食べるには?
まずはじゃがいもの皮を全部むいてしまいましょう。
普段は皮をつけたまま食べている方も、皮が緑色に変色しているじゃがいもの場合は安全のためにも全体をむいてくださいね。
とくに、明らかに緑色になっている部分は、皮を厚くむくことに注意してください。
皮からうち側の部分も含めて、緑色になっているところはぜんぶ切り取ってしまいましょう。
その方が絶対に安心です。
じゃがいもの芽や、緑色の部分を取り除けば安全に食べられるのはわかりましたね。でも、そもそもじゃがいもの芽や緑色の部分の毒ってどんな毒なんでしょう。
じゃがいもに芽がでることで、毒がつくられるってこと?
気になりますよね。
芽が出たじゃがいもや、緑に変色した部分の毒ってどんな毒?
じゃがいもに出てくる芽や、皮が緑に変色した部分に含まれる毒は、
『ソラニン』や『チャコニン』と呼ばれるものです。
ソラニンやチャコニン(カコニンとも呼ばれています)は天然毒素の一種で、じゃがいもの芽や緑色になった部分に多く含まれます。
天然毒素ってなに?
天然毒素とは、動物や野菜がもつ自然の毒のこと。
ソラニンやチャコニンは、じゃがいもに元々含まれている自然毒で、食べても人体には影響がないほどの微量です。
でもじゃがいもに光があたってしまうと、人の体に影響を及ぼすほどの量に増えてしまうんです。なぜじゃがいもに光があたるだけで、毒が増えるんでしょうか?
じゃがいもの毒、ソラニンやチャコニンは何故増えるの?
蛍光灯や日光などの光があたることで、じゃがいもは休眠状態から目覚め、子孫を残そうと芽をだします。皮は光(紫外線)があたると、光合成を起こして葉緑体ができ、緑色に変色します。
この段階で、ソラニンやチャコニンがたくさん作られると考えられています。
もともとじゃがいもに含まれているというソラニンやチャコニン。これらが増えてしまったじゃがいもをそのまま食べてしまうと、いったいどんな症状になるのでしょうか。
じゃがいもの毒は食べるとどうなるの?
ソラニンやチャコニンを多く含む、じゃがいもの芽や緑色に変色した部分を食べた場合、次のような症状が出ることがあります。
- 吐き気
- 下痢
- おう吐
- 腹痛
- 頭痛
- めまい
いわゆる食中毒の症状です。
じゃがいもを食べたあとに、こんな症状になってしまったら、内科のお医者さんにみてもらってください。その時には、芽がでたじゃがいもを食べたことを伝えておきましょう。
じゃがいもを買うときや、保存するときに気をつけたいこと
じゃがいもを購入するときやご家庭で保存するときに、少し注意を払っておくだけで危険な食中毒のような症状を避けることができます。
ここでは、気をつけるといいことをご紹介しますね。
じゃがいもを買う時はココに注意
- 芽が出ていたり、皮に緑色の部分があるじゃがいもは買わない
- 長期間の保存を避けるためにも、じゃがいもはそのとき必要な量だけ買う
じゃがもに芽がでたり緑色に変わっていれば、買わないこと。じゃがいもの買いだめはしない。これらに気をつけるだけでも、じゃがいもの毒から身を遠ざけることができますよね。
じゃがいもは収穫してから2~3ヶ月の休眠期間が過ぎると、発芽モードに入ります。発芽モードになったじゃがいもに日光が当たったり、高温が続いてしまうと発芽や変色が始まってしまうんです。
じゃがいもを収穫した後は、低温貯蔵されて一年中出荷されています。出荷したあとの輸送中の温度やお店で光にあたることで、じゃがいもに芽がでやすくなったり緑色に変色したりといった現象がおこります。
気温の高くなる春先には、「ガンマ線照射済」とラベルに書かれたじゃがいもにお目にかかれるかも?
じゃがいもの芽を出さない保存方法とは?
じゃがいもは保存方法を間違うと、すぐに芽がでたり緑色に変色してしまいます。
芽が出るとソラニンが増え、栄養も落ちて美味しく無くなってしまいますよね。
いいことは何もないので、できるだけ芽が出ないような保存を心がけるといいですね。
- じゃがいもは、暗くて涼しい場所に保管する(通気性が良く10℃くらい)
- 冷蔵庫では保存しない
- りんごと一緒に保存する
ひとつひとつ見ていきましょう。
まず、保管場所ですが、じゃがいもは、かごや通気性の良い袋に入れるのがいいですよ。
100円ショップなどに野菜保存用の黒い袋があります。これに入れて、通気性の良い冷暗所にぶら下げておくと安心ですね。
じゃがいもは、気温が20℃以上になると発芽や腐敗が始まります。
春に芽がでやすいのは、このせい。この時期は、買いだめは厳禁ですよ。
つぎに、じゃがいもを冷蔵庫で保存するのがなぜダメなのか。
じゃがいもを冷蔵庫で冷蔵すると、でんぷんが糖に変わることで糖の濃度が高くなります。
つまりじゃがいもが、甘くなるということ。
これって嬉しいことなんですが、ひとつだけ注意してほしいことがあります。
冷蔵して糖度が上がったじゃがいもは、揚げたり炒めたりといった高温調理のときに、アクリルアミドという有害物質のできる量が増えることがあります。
アクリルアミドは発がん性物質で、なるべくなら摂らない方がいいものです。
じゃがいもを冷蔵庫に保管した場合は、揚げたり炒めたりといった高温になる調理方法は避けて、蒸したり煮たりといった水を使った調理で使うと安心です。
最後に、りんごと一緒に保存すると良いのは、りんごから出るエチレンガスには、じゃがいもを休眠状態に留める働きがあり、芽が出づらくなるためです。
これだけやっておけば、ある程度は大丈夫ですが、やはり早めに食べてしまうのが安心ですね。
じゃがいもは、冷凍保存もできますよ!
まとめ
じゃがいもの芽や皮が緑色になっても、芽や緑色の部分をしっかり取り除けば食べられます。
ただ、やはり味や栄養は落ちてしまっていますので、早めに食べるのがいいですね。
じゃがいもの芽や緑色の部分には、ソラニンやチャコニンといった毒素が含まれていて、食べると食中毒のような症状を起こすことがあります。
面倒だからとそのままにしないで、きっちり取り除いてから食べましょう。
じゃがいもの保存は、光のあたらない10℃以下の風通しの良いところにりんごと一緒に保存するのが一番です。
じゃがいもは、暑い季節でも冷蔵庫には入れないこと。そして必要な分をその都度購入するようにし、早めに食べるように気をつけてくださいね。