「寒麹」は、名前のとおり寒い時期に仕込むと、
美味しくできる発酵調味料です。
寒くないと、美味しくはなりません。
寒麹は塩麹と同じく、万能調味料として使えます。
秋田県の伝統食の一つで、漬物はもちろん、肉や魚料理にも使えますよ。
塩麹は常温で10日ほどでできあがるのですが、
寒麹は同じく常温で半年から一年ほど寝かせることで、
甘みや旨味がぐんぐん増すようです。
また、塩麹はできあがったら冷蔵庫で保存しないといけませんが、
寒麹は常温で保存することができます。
寒い時期にしか美味しく作れませんが、
1年分たっぷり作っても、保存場所には困りませんね。
今回は、「寒麹」の作り方と、寒麹の使い方をご紹介します。
寒麹の作り方
【材料】
〇 米麹(生)・・・300g
〇 うるち米・・・300g
〇 自然塩・・・150g
【作り方】
- ごはんを固めに炊きます。
- 塩と米麹を混ぜ、塩切りします。
- ごはんを人肌の温かさになるまで、切るように冷まします。
- 塩切りした米麹とごはんを混ぜます。
- ふた付きの容器に入れて、常温で発酵させます。
- 1週間は1日に1回底からかき混ぜ、6ケ月から1年で食べられます。
写真をもとに、詳しくご説明します。
まずは、材料のご紹介です。
右から時計回りに、うるち米、あら塩、米麹です。
うるち米というのは、いつも食べている白米のことです。
うるち米をもち米に変えると、より甘くなります。
お塩は精製していない、にがりを含んだあら塩を使っています。
米麹は、業務スーパーで購入したものを使っています。
粒がパラパラになっていて、ほぐす必要がなくて使いやすいです。
みやこ麹などの板状のこうじの場合は、開封前に袋の上からもみほぐすと、粉も散らずに扱いやすいですよ。
Step1:ごはんを固めに炊きます。
2合の目盛より、気持ち少な目の水分量にします。
新米の場合は、もう少し少な目がいいと思います。
我が家のお米は古米なので、若干水分を多めにしています。
Step2:塩と米麹を混ぜ、塩切りします。
塩と米麹を混ぜて、手のひらでギュッとつかむようにして、米麹と塩を馴染ませます。
これを「塩きり」というんですが、塩と麹を最初に合わせることで、麹菌以外の菌を寄せつけないようにします。
こうすることで、麹の品質が保たれて、長期にわたって常温での保存ができるようになります。
Step3:ごはんを人肌の温かさになるまで、切るように冷まします。
しゃもじで、酢飯をつくるときのように、さっくりと混ぜながら冷まします。
こうじ菌(糖化酵素)は、60℃以上が30分続くと死滅してしまい、甘くなりません。
必ず人肌くらいまで冷ましてくださいね。
ただ、冷まし過ぎても麹が働きませんので、気をつけてください。
Step4:塩切りした米麹とごはんを混ぜます。
ここでも、さっくりと切るようにして、混ぜ合わせます。
底のほうに塩が溜まりやすいので、底から返すようにして、混ぜましょう。
Step5:ふた付きの容器に入れて、常温で発酵させます。
今回は、100円ショップで購入したガラス瓶を利用しました。
900mlサイズを2本です。事前に煮沸消毒かアルコール消毒をしておきます。
しゃもじやスプーンなどで、容器に詰めます。2本のビンがいっぱいになりました。
Step6:1週間は1日に1回底からかき混ぜ、6ケ月から1年で食べられます。
翌日のかき混ぜたあとの様子です。だいぶしっとりとして、かさが減っていますね。
ただ、ビンにぎゅうぎゅうに詰めたので、かき混ぜるのが大変でした。
保存容器は、もう少しゆとりのあるサイズにした方が、よさそうです。
ごはんと米麹が、一体となっています。
できあがりは半年から1年後。
半年たった夏を超したあたりからとろりとし始め、1年後には完成です。
とろりとした甘じょっぱい旨み調味料になります。
保存期間は3年ほどもつそうです。
とっても楽しみです。何に使いましょう。
寒麹の使い方
寒麹は、塩麹と同じように使うことができます。
簡単に使い方をご紹介しますね。
塩麹よりも甘みが強いので、甘みの合う料理に使うのが向いています。
お漬物ならべったら漬けに使うと、簡単に本格的な味に仕上ります。
浅漬けにしても、簡単に美味しくできあがります。
お肉やお魚なども、まぶして焼いたり、照り焼きなどに使うと、甘みと旨みがアップして美味しく食べられます。
から揚げにしても、旨みが強くなり美味しくできます。
きんぴらなどの甘辛い味付けに使っても、美味しいですよ。
また、煮物や和え物の隠し味として使うと、料理をランクアップしてくれます。
おわりに
できあがるのが、半年から一年というと、とっても長く感じますよね。
でも、寒麹は熟成させるほど、まろやかな味になっていきます。
とりあえず、寒い時期に仕込んでおいて、1週間かき混ぜたら、あとはほっとくだけで、塩麹よりも甘みや旨みが強い、万能調味料ができてしまいます。
忙しい世の中ですが、たまには気を長くして、楽しみに待つのもいいものじゃないでしょうか。果報は寝て待てともいいますし。
寒麹は待てば待つほど、熟成されてまろやかに美味しくなっていきます。
ただし、ひとつだけ注意点があります。
ほったらかしでいいので、作ったことを忘れないようにしてくださいね(^-^)