甘麹(あまこうじ)とは、かんたんにいうと「甘酒の素」です。
甘麹をお湯で薄めると、甘酒としておいしく飲むことができます。
甘酒を濃厚かつより極甘にしたもので、お砂糖の代わりにお料理に使うこともできます。
とはいえ、お砂糖のようなどぎつい甘さではなく、
上品で玄米の香ばしい香りをもった、甘くて旨みのある発酵調味料になります。
甘酒には、酒粕を使ったアルコールを含むものと、
今回ご紹介する麹とお米を使ってつくるノンアルコールのものがあります。
この他にも、お米を使わずに、麹と水だけでつくる甘酒も、とっても甘くて美味しいです。
お米を使わない甘酒の作り方は、こちらをどうぞ。
今回は、米麹と発芽玄米を使ってつくる、甘麹の作り方をご紹介します。
麹だけでつくる場合よりも、発芽玄米を作ってご飯を炊く分だけ、
手間がかかります。
ですが、コスパは玄米でかさ増ししている分だけ、こちらの方が優れています。
甘さは麹だけでつくった甘酒と比べても十分に甘く、玄米の優れた栄養もとることができます。
「飲む美容液+飲む点滴」といった効果が得られる、最強の飲み物ができあがります。
甘麹の作り方
今回は、玄米を発芽させてつくる「発芽玄米」をおかゆにして、甘麹をつくります。
玄米を使うと、白米を使う場合よりも豊富な栄養が摂れます。
また、発芽させることで消化がしやすくなり、ギャバが2~3倍に増えて、
美容やダイエットにも効果が期待できます。
ヨーグルトメーカーはヨーグルティアを使用しますが、他のヨーグルトメーカーでも同じように作れます。
甘麹に限らず塩麹や醤油麹なども、ヨーグルトメーカーを使うと温度管理をおまかせできるので失敗知らず。とっても楽ちんにできるのでおすすめですよ。
【材料】
〇 米こうじ・・・100g
〇 玄米・・・100g
〇 水・・・400ml+追加100ml(湯冷まし)
〇 塩・・・少々
〇 圧力鍋
〇 ヨーグルティア
【作り方】
- 玄米を洗います。
- 発芽玄米を作ります。消毒したヨーグルティアの内容器に入れて、水をそそいで30℃24時間でスタートします。
- 24時間後、発芽した玄米をサッと洗って圧力鍋にいれ、400mlの水を加えて20分加圧します。
- おかゆが炊けたら、ブレンダーで玄米をなめらかに潰します。
- おかゆが60℃以下に冷めたら、常温に戻した米麹を混ぜ合わせます。
- 5を、消毒したヨーグルティアの内容器に入れて、内フタとねじフタ、外フタをして、60℃で6時間発酵させます。
- 発酵が終わり、甘みが出たら出来上がりです。そのまま完全に冷ましてから、冷蔵庫に移します。
写真をもとに、詳しくご説明していきます。
Step1:玄米を洗います。
私は洗米ボウルを使っています。玄米の場合は、ぬかがでないので、普通のボウルでも全然大丈夫です。
サッと水洗いして、汚れや小石などがあれば取り除きます。
水を捨てて、お米を両手で拝むようにこすり合わせて洗います。
右手は写真を撮っているため、写真では左手だけですが、
両手を使って「なんまんだぶ~」の感じで洗います。
水ですすいで、もう一度洗ったら「洗い」は完了です。
Step2:発芽玄米を作ります。消毒したヨーグルティアの内容器に入れて、水をそそいで30℃24時間でスタートします。
水の量は、玄米の上1cmくらいまで入れてください。
内フタはしないで、ねじフタをしめ、本体にセットしたら、
本体のフタは少しずらして乗せます。
Step3:24時間後、発芽した玄米をサッと洗って圧力鍋にいれ、400mlの水を加えて20分加圧します。
24時間後、水がすこし濁っています。
このお水は捨てて、玄米をサッと洗い水を切ります。
あまり発芽しているように見えなくても、「発芽モード」には入っていますよ。
圧力鍋に玄米と分量(400ml)のお水、塩少々を入れて、おかゆを炊きます。
圧力鍋によって加圧時間は違いますが、私の場合は20分加圧しました。
その後、自然冷却を待ちます。
また、時間はかかりますが、普通のお鍋でもコトコトとおかゆを炊くことができます。
発芽玄米の芯がなくなるまで、お水を足しながら1時間ほど炊いていきます。炊いたごはんからなら、もっと短時間でできます。
Step4:おかゆが炊けたら、ブレンダーで玄米をなめらかに潰します。
ここで玄米を潰しておくと、より甘みがでるようです。
潰さない場合は、ぷちぷちした玄米の食感を楽しむことができます。
お好みでどうぞ。
Step5:おかゆが60℃以下に冷めたら、常温に戻した米麹を混ぜ合わせます。
ブレンダーで潰している間に、ちょっと温度が下がりました。
下がり過ぎた場合は、もう一度お鍋を火にかけて温めるといいです。
水分が足りないようなら、火にかける時に100mlほど足しておきます。
おかゆと米麹を、よく混ぜ合わせます。
Step6:5を、消毒したヨーグルティアの内容器に入れて、内フタとねじフタ、外フタをして、60℃で6時間発酵させます。
容器は、水を底が隠れるくらい入れて、電子レンジで1分30秒加熱したあとお湯を捨てておきました。
内フタ、ねじフタを締めて、本体にセットし本体のフタをのせて、60℃6時間でスタートします。
2時間おきにかき混ぜると、発酵が均一になります。その時に、甘みがでたか確認するといいです。甘みがしっかり出ていれば、6時間待たなくても出来あがりです。
Step7:発酵が終わり、甘みが出たら出来上がりです。そのまま完全に冷ましてから、冷蔵庫に移します。
玄米の黄みがかった色をした、甘麹ができあがりました。
甘みが足りなければ、もう少し発酵の時間を延ばしてみてください。ただし発酵し過ぎると、酸っぱくなってしまうことがあります。ご注意くださいね。
私はここでもブレンダーを使って、麹の粒をなめらかにしておきました。これで調味料としても、使いやすくなります。
とてもなめらかな仕上がりになりました。
さっそくアルコールは入っていないのに、なぜかおちょこに入れて、
お湯で、2倍に薄めてみました。
いただきま~す。
うむ、香ばしい、玄米のかおりがいたします。
甘酒を口に含むと、程よい甘さで飲みやすく、口のなかに玄米の皮が感じられます。
ほっこり甘くて旨みのある、美味しい甘酒になりました。
ごちそうさまでした。
甘麹の賞味期限と保存方法
できた甘麹が美味しく食べられるのは、冷蔵庫で保存すると1週間程度です。
塩麹やしょうゆ麹と比べると、塩分を含まないので傷み(発酵のしすぎ)が早いです。
冷蔵庫の中でもゆっくりと発酵は進むので、時々かき混ぜてください。
発酵しすぎると酸っぱくなってしまいます。
長く楽しむには、冷凍保存がお勧めです。
冷凍庫で保存すれば、1ヶ月は美味しく食べられますよ。
冷凍保存用の袋に薄く伸ばして凍らせ、パキパキと折って使うか、
製氷用のトレーを使って小分けにして冷凍します。
私はお菓子の型を使って、凍らせています。
使う時の分量が分かりやすくて、おススメです。
凍ったら、冷凍保存用の袋に詰めていきます。
おわりに
今回は、麹と発芽玄米を使ってつくる、甘い発酵調味料にもなる甘酒の素、
「甘麹」の作り方をご紹介しました。
麹と水だけでつくる「生甘酒」もとってもリッチで美味しいのですが、
たくさん食べるには麹のお値段がけっこうネックになります。
今回ご紹介した甘麹は、「米麹+玄米」でかさ増ししているにも関わらず、
米麹だけでつくるときと同じくらい「甘い」甘酒になります。
ちょっとだけ手間はかかるし、初めは難しく感じるとは思いますが、
何度か作って慣れるとなんてことはありません。
ながく甘酒生活を続けるには、コスパが良いのが一番です。
気兼ねなく、お料理にお砂糖やみりんの代わりに使うことができます。
ただし、手間がかからないほうが良いなら、麹と水だけでつくるほうが簡単です。
はじめは簡単に作ってみて、続けるならコスパも考えてみるのも、手かもしれません。
お米を使わない「かんたんな甘酒」の作り方は、こちらをどうぞ。
今回使用したヨーグルティアは、甘酒の他にも納豆や味噌など、
いろいろな発酵食品つくりに使えて便利です。
ブレンダーは意外にいろんなことに使えて便利です。
圧力鍋ならこちらがおすすめ。国産で部品も手に入れやすいです。