切干だいこんはよく見かけますが、なかなか市販の干しかぼちゃは売っていませんね。生では傷みやすいかぼちゃですが、家庭でも天日に干すことにより長く保存することができます。もともと甘いかぼちゃですが、干すとしんなりして甘みが増しますよ。
野菜を干す場合は、同じ野菜でも目的によって干し方が異なります。
干し方には「レンジ干し」「セミドライ」「フルドライ」の3つの種類があります。
すぐ(1時間後くらい)使うのであれば「レンジ干し」、当日から数日以内に使うなら「セミドライ」、長期保存したいなら「フルドライ」が向いています。
ここではかぼちゃを長期保存したい場合の「フルドライ」の干し方と保存方法、使い方などについてご紹介します。
手軽に干したい方はこちらの記事をどうぞ。
フルドライのメリット
生のままだとすぐに傷んでしまうかぼちゃですが、フルドライにすることで長い保存期間が見込めます。利用する際もしばらく水につけておくだけで戻すことができるので、災害時の非常食としても用いることができます。生のまま調理する場合に比べて、水分が飛んでいるので味が染みやすく、甘みや旨みが増してたとえ水っぽいかぼちゃであってもホクホクとした食感に変わります。
フルドライのデメリット
干す期間がセミドライに比べて長くなり、天気や湿度によってはカビが生えたりといった失敗するリスクが高まります。ですが数日晴天が続きそうな日を選ぶこと、また梅雨時などの湿度の高い季節を避けることでリスクを減らすことができます。かぼちゃを小さく薄く切ることでも、早く乾くので干す期間が短縮され、失敗を避けることができます。
フルドライの干し方
切り方
まずスプーンなどで種とワタを取り除き、かぼちゃを洗います。皮が汚れているところは、この時点で切り取っておくといいでしょう。
種も干して食べることができます。
皮付きのままで用途に合わせてくし形、短冊、角切りなど好きなサイズに切り分けます。皮やワタにも栄養が含まれていますが、フルドライの場合はワタをつけたままでは乾きにくくカビやすくなります。ワタの栄養は実の3倍あるともいわれていますので、ワタは別に取り置き刻んでスープやカレーに入れたり、お好み焼きやスペイン風オムレツなどに混ぜ込むと、食感を気にすることなく食べることができます。
干し方
晴天が続く晴れた日の朝9時ころから15時ころまでの6時間が干しごろです。日の当たる風通しの良い場所に、水気を取ったかぼちゃを重ならない様に並べて干してください。
その際は干しかごや干し網などを利用するといいです。干し網があると、風がつよい場合や鳥などから野菜を守ることができます。
湿度が高くなるので、まだ乾いていない場合も夕方以降は室内に取り込みます。翌日にまた干しましょう。
干す期間
かぼちゃの切り方や天気、風の通り具合によって異なりますが、3日から5日ほど干します。
かぼちゃがカラカラに乾いたら干しあがりです。
使い方
さっと洗ってサイズや切り方によって異なりますが、5分ほど水につけて水気を取ってから、生の場合と同様に調理に使うことができます。
生の場合に比べて、火の通りも早く煮崩れもしにくいです。
保存方法
水分がほとんど残っていない状態ですので、保存袋やビンなどに入れて常温で保存します。切り方によって異なりますが、2週間から3ケ月ほど保存が可能です。厚めのくし形なら2週間、薄めの短冊切りなら3ケ月といった具合です。
冷蔵庫で保存する場合は、1ケ月~半年ほど。やはり保存期間は切り方によって異なります。また、このまま冷凍することもできます。
災害用の食料として保存する場合は、常温保存がおすすめです。冷蔵や冷凍では、電気が止まってしまうとすぐ使わなければならなくなると考えられるためです。
まとめ
かぼちゃを「フルドライ」で干す場合のまとめです。
- 「フルドライ」は、長期の保存ができ、災害時の非常食などにも活用できます。
- 干し上りまで数日かかりますが、晴天が続く日を選び、薄く小さくカットすることで干し時間が短くなり、失敗するリスクが減ります。
- 水分が飛んで甘みやうまみが増し、水っぽいかぼちゃもホクホクした食感になります。
- 生のままより、火の通りが早く味が染みやすくなります。
- 保存は状態によって変わりますが、常温または冷蔵庫で2週間から半年ほどです。冷凍もできます。
- 災害時の非常食としてなら、冷蔵や冷凍ではなく電気を使わない常温保存がおすすめ。
少しの手間で、かぼちゃがよりおいしく食べられるようになります。また使い切れずに残ったかぼちゃの保存方法としても有効です。ぜひお日様を浴びて美味しくなった干しかぼちゃの味を試してみてくださいね。