秋の味覚として、ちょっと添えてあるだけでなんとなく嬉しい銀杏。鮮やかな緑色はお料理に映えますし、もっちりした食感とほのかな苦みを心待ちにしている方も多いはず。最近は1年中みかけることが多いですが、やはり旬の秋にたべる銀杏の味は格別ですよね。
おつまみや色どりに重宝される銀杏ですが、食べ過ぎると中毒症状を起こしてしまうことがあります。特に小さなお子さんには注意が必要です。
今回は、銀杏の中毒症状についてと、何個食べた時に中毒になるのか、万がいち中毒になった場合の対処法をご紹介します。
銀杏中毒とは
銀杏に含まれる成分のメチルピリドキシン(MPN) がビタミンB6の働きを阻害することによって中毒の症状を引き起こします。つまり、銀杏中毒とはビタミンB6の欠乏した状態と同じような症状を引き起こします。
ビタミンB6の働き
神経の働きを正常にしたり、髪の毛や皮膚の健康、成長を促進する補酵素として体内で働きます。
ビタミンB6が欠乏すると
・皮膚炎
・リンパ球減少
・うつ状態
・脳波異常
・痙攣(けいれん)発作
などの症状がでると言われています。
銀杏で中毒になるのは何個から?
小児で7個、成人は40個食べた場合に中毒症状が現れたとの症例があります。場合によっては死亡することもあります。美味しいからと食べ過ぎるのは、良くないようですね。
食べないほうがいい人も
たくさん食べても中毒にならない人もいますが、なる人との違いはもともとのビタミンB6の摂取量の差が原因です。
普段から無理なダイエットで栄養が不足気味だったり、偏食が続いているときはビタミンが不足がちになっている可能性があります。
そんなときは銀杏を数個食べただけでも具合が悪くなることがあるでしょうし、症状も重くなりがちです。
銀杏中毒の症状
主な症状は麻痺、吐き気です。
他の症状としては、発熱・めまい・意識混濁・顔面蒼白・呼吸困難などがあります。
この症状は大人も子どもも関係なく起こります。銀杏を食べてから、1~12時間で発症し、約半数は24時間以内に回復します。
発症している患者のほとんどが子どもで、大人の場合は、かなり大量に摂取したときに限られているようです。
小さなお子さんには、茶碗蒸しに一粒など味見をする程度にして、なるべく控えた方がいいですね。5才未満のお子さんであれば、大事をとって食べさせないほうが賢明です。大きくなるまで待ってもらいましょう。
銀杏で中毒症状が現れた時の対処法
銀杏をたくさん食べた後で具合が悪くなったら、銀杏中毒の可能性は否定できません。他に明らかな原因が思いつかない場合は、病院での診察を検討してみてください。
家での対処
・無理に吐き出させない
嘔吐すると痙攣(けいれん)を誘発する危険性があります。気分が悪そうなときも慌てて吐かせるようなことはせず、すぐに病院へ連れて行きましょう。
病院では分かっていることを細かく伝えましょう
・いつ食べたか
・いくつ食べたか
・どんな症状か
・いつから症状が現れたか
銀杏を食べた後かどうかを知っているだけでも、処置のスピードが変わってくるそうですよ。
医療機関での対処
・ビタミンB6の投与
・入院させて経過観察
などがあります。医師であっても銀杏中毒かどうかを判断するのは難しいそうです。
中毒症状は出ていないけど、銀杏を食べ過ぎてしまったときは
銀杏を食べた後、通常1時間から12時間ほどで症状があらわれます。これを過ぎても体調に変化がなければ、特に心配はないでしょう。
心配な場合は、ビタミンB6を多く含むかつお、まぐろや、レバー、鶏のささ身、にんにく、バナナなどを食べておくと安心ですね。
どんなに体に良いものであっても食べ過ぎはよくありません。バランス良く色々な食品を取り入れるようにしましょう。
おわりに
秋の味覚として親しまれ、茶碗蒸しや串焼きなど、ちょっと添えてあるだけで嬉しい銀杏ですが、食べ過ぎると中毒症状を引き起こしてしまいます。
健康な大人が適量を守って食べる分にはさほど心配はいりませんが、小さなお子さんや体調がすぐれない場合は、注意が必要です。
どんな食品でもそうですが、美味しいからと一度に食べ過ぎず、ほどほどにしておくのが胃腸や体にとっても、良いようですね。
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