安価で手に入りやすいもやしは、食物繊維やビタミンCを始めとした、豊富な栄養が含まれています。淡泊な野菜であるため、合わせる食材を選ばず美味しく食べられるのも魅力ですね。そんなもやしの栄養と効能、料理法などについてご紹介します。
もやしってどんな野菜?
もやしとは、豆類の種子を発芽させた新芽のことをいいます。光が当たることなく暗室の中で栽培されるため、白くてヒョロヒョロとしています。
モヤシの種類
同じように見えるもやしも、発芽させる豆によって種類が違います。
一般的にもやしとして流通しているのは、次の3種類です。
緑豆もやし
緑豆を発芽させたものが緑豆もやしです。みずみずしくクセのない味なので、どんな料理にも合います。
一般的なもやしとして親しまれていて、やや太めでシャキッとした歯ごたえのもやしです。スーパーやコンビニなどで、手軽に購入することができます。価格も一番お値打ちです。
傷みが早く、水分が出てくるので2~3日以内に食べるといいです。
豆もやし
大豆を発芽させたものが豆もやしです。ほかのもやしに比べるとたんぱく質が多く、太くて長く、豆がついているのが特徴です。韓国料理のナムルや中華料理の炒め物などによく使われます。
ブラックマッペ
けつるあずき(ブラックマッペ)を発芽させたものです。緑豆もやしよりもやや細く、黒い種皮がついていて「黒豆もやし」とも呼ばれています。もやし特有の風味と味にコクがあり、ラーメンや焼きそば、お好み焼きなどに使われています。
この他にも「かいわれ大根」や「ブロッコリースプラウト」、「アルファルファ」など、種を発芽させたものももやしに分類されます。これらはスプラウトと呼ばれています。
もやしの栄養と効能
食物繊維
食後の血糖値の急上昇を防ぎ、大腸の働きを促し便秘にいいとされています。大腸がんの予防、整腸作用のほか、コレステロールの上昇を抑える効果もあるといわれ、メタボ対策にも最適です。
豆もやしに特に多く含まれる栄養素です。
ビタミン
美肌や免疫作用の強化に役立ち、体をストレスから守ってくれるビタミンC。さらに、エネルギー代謝の促進に有効なビタミンB1、B2も含み、ダイエットにも効果的な働きをします。
アスパラギン酸
スタミナドリンクにも配合されているアスパラギン酸は、アミノ酸の一種で、疲労を回復する効果があります。
カリウム
ミネラルの一種で、血圧を下げる効果があるとされています。生活習慣病の予防が期待できます。
モヤシの旬と食べ方
旬
もやしは工場で生産されている、「工場野菜」です。天気や気候に関係なく一年中栽培でき、8日ほどで出荷が可能な野菜です。このため、旬はありませんが、一年中おいしく食べられます。
安定して供給されるため、価格も安く一年中安定していて、家計にも優しい野菜です。またサッと洗うだけで調理できるので、手間がかからずボリュームアップができます。
食べ方
もやしは、パッケージにも「必ず過熱してお召し上がりください」などと書かれているように、野菜ではありますが、生で食べる前提では生産されていない食品です。
ですから調理の際は必ず火を通しますが、このとき注意したいのが「火の通しすぎ」です。炒め物やスープなどに入れる場合は、「短時間加熱」がポイントになります。
炒め物なら他の食材を炒めたあと、強火にして30秒ほど炒め合わせて火を止め余熱で火を通す、味噌汁やスープの場合も最後に入れてサッと火を通すだけにすると、シャキシャキ感が損なわれず、もやし本来の味を楽しむことができます。
■炒め物
野菜炒めに混ぜたり、豚肉や鶏肉、牛肉などの肉類やイカやエビなどとも相性が良く、サッと炒め合わせるだけで美味しい1品が出来上がります。シンプルに塩コショウするだけでも、おいしく食べられます。
豆もやしの場合は、軽くゆでるか蒸すなどの下ごしらえをしてから炒めると、豆の固さがとれシャキッと出来上がります。
■お好み焼き
お好み焼きには、一般的にはキャベツが使われますが、もやしに代えてもおいしいです。サッとゆでるか、レンジで加熱してから使うと水気がでませんよ。
■蒸し物
もやしの上に薄切りの豚肉を広げて塩コショウし、ラップをして電子レンジで豚肉に火が通るまで加熱し、醤油やゴマ油をかけるだけで1品できあがります。
■肉巻き
肉巻きの具としても、美味しいです。
もやしを豚肉で巻いてフライパンで焼き、照り焼きのタレを絡めるだけでできあがりです。
■ナムル
沸騰したお湯でもやしを30秒ほどゆで、水気を切ってごま油と塩コショウで和えるだけで、韓国料理のナムルができます。豆もやしで作ったり、おろしにんにくやすりごまを加えるとより本格的なお味になります。
■スープ
中華風スープや、味噌汁の具に加えると、具だくさんでシャキシャキ感満載の汁ものになります。
まとめ
激安野菜で人気のもやしは、クセのない味で合わせる食材を選ばずにおいしく食べられます。副菜としてだけでなく、メイン料理のカサ増しにも使え、使い勝手はバツグンな食材なので、ぜひ日々のお料理に活用してください。