ごはんのお供、お漬物。
なかでもぬか漬けは、日本を代表するお漬物と言っても過言ではありません。
と私は思っています(^-^)
もちろん梅干やたくあん、塩漬けなども美味しいけれど、
素材の味を生かして食べられるという点で、
やはりぬか漬けが一番ではないでしょうか。
また、梅干しやたくあんは、漬ける季節が限定されてしまいますよね。
梅干しならば、梅が出回る6月に、たくあんは大根が甘くておいしい冬に漬けるのが、
美味しくつくるコツです。
その点ぬか漬けならば、一年をとおして旬の野菜を漬けることができます。
一度ぬか床を作ってしまえば、一生ものの宝箱になります。
夏場であれば、早く漬かり、ものによっては漬けた当日にもう食べられるなんてことも。
冬場はもうすこしゆっくり漬かるので、気長に待つのもいいものです。
今回は、本格的な「生ぬか」を使ってつくる、
ぬか床の作り方とぬか漬けの漬け方をご紹介します。
最初に食べられるようになるまでは、ちょっとだけ時間はかかります。
でも、手順は簡単で美味しさは格別なんですよ。
ぬか床の作り方
今回は、生ぬかを使って漬ける、本格的なぬか床の作り方です。
市販の熟成されたぬか床であれば、
捨て漬けをせずに漬けてひと晩で食べられるものもあります。
今回は本格的に捨て漬けをしながら、じっくりゆっくりとぬか床を育てていきます。
時間をかけることでおいしさが生まれ、毎日手をかけることで、
ぬか漬けへの愛情が育まれるのかもしれません。なんてね(^.^)
【材料】
〇 ぬか(生)・・・500g
〇 湯冷まし・・・500ml
〇 塩(自然塩)・・・65g
〇 昆布・・・10cm角を2枚
〇 赤唐辛子・・・2本
〇 干ししいたけ・・・1つ
〇 捨て漬け用の野菜・・・適量
〇 ぬか床用の容器・・・2Lくらいのもの
【作り方】
- 湯冷ましに、塩を溶かします。
- ボウルにぬかと1の塩水1/4を加え、底から混ぜます。
- ぬかにしみ込んだら、塩水の1/4をさらに加えて混ぜます。
- 粘土くらいの硬さになるまで、塩水を加えて混ぜます。
- 容器に4のぬか床を半分入れ、昆布、赤唐辛子、干ししいたけを入れます。
- 捨て漬け用の野菜を入れて、残りのぬか床を加えて手のひらでならします。
- 毎日1回底から返すように混ぜ、捨て漬け用の野菜がクタクタになるまで、5日ほど置きます。
- 捨て漬け用の野菜を取り出して、野菜を漬けます。
- 野菜が柔らかくなったら、ぬか漬けのできあがりです。
写真で詳しくご紹介
写真をもとに、詳しくご説明します。
材料は、2人分くらいのぬか床ができる分量です。
右上から時計回りに、漬物用の容器、昆布、鷹の爪、干ししいたけ、
捨て漬け用の野菜くず、生ぬか、塩です。
保存容器は、縦型のタッパーです。
以前母がぬか漬けを漬けていた時は、四角い浅めのタッパーを利用してました。
では、今回なぜ縦型を選んだのか?
ぬか漬けは夏場になると、手入れが日に1回では足りなくなることもあります。
高温の状態で一日に1回手入れするだけだと、発酵が進み過ぎてしまうんですね。
そんな時は、冷蔵庫に入れるとぬか床が落ち着いてくれます。
そのため、野菜室に入れやすいように、縦長のタッパーにしてみました。
1.9L入るものです。
朝ドラの「ごちそうさん」でも、
かめのような壺のような縦型の容器で漬けてましたよね。
捨て漬け用の野菜は、大根の葉っぱや大根の皮、大根やにんじんのヘタの部分、
キャベツの外葉や芯の部分などの野菜くずです。なんでもOK。
もちろん、ちゃんとした野菜なら言うことありません。
ぬかは、生ぬかを利用しています。
生ぬかは炒ったものに比べると、何と言っても風味が違うんですよね。
生ぬかを使うと、ぬか床からかぐわしい香りが漂います。
くんくん、かいでしまうほど。良い匂い。
近所のお米の直売所で、1キロ弱くらい入って
破格の大特価。なんと10円!
お米を精米して販売しているお店なら、置いていると思います。
新鮮な生ぬかが手に入るので、お近くのお店を探してみてくださいね。
ただし、生ぬかは保存がききません。冷蔵庫でも3~5日ほど。
手に入れたら、鮮度の良いうちに使ってくださいね。
残った分は、冷凍庫で1ケ月ほど保存できます。
生ぬかが手に入らない場合は、スーパーなどで炒りぬかが手に入ります。
炒りぬかは、火を通してあるので保存性は良いです。
塩は、丸みのあるあら塩を。
漬物用と書かれているお塩を使ってもいいです。
お漬物は塩が大切です。
ぜひ、精製されていない、自然塩を使ってみてください。
素材のうまみを引き出してくれますよ。
昆布や鷹の爪、干ししいたけは、ぬか床に旨みを足したり
腐敗を防止する役目も。
無くてもできますが、あった方が絶対にいいです。
捨て漬け用の野菜は、大根・人参・キャベツ・きゅうりなどで良いです。
私はヘタや芯など、普段捨ててしまう野菜くずなども使います。
水分を多く含む大根やキャベツは、発酵が進みやすいので特にお勧めです。
Step1:湯冷ましに、塩を溶かします。
水を沸騰させて冷ましたものに、塩を加えて溶かします。
ミネラルウォーターでもいいですよ。
Step2:ボウルにぬかと1の塩水1/4を加え、底から混ぜます。
ボウルにぬかを入れ、塩水を1/4くらい入れて、底から返すようにかき混ぜます。
Step3:ぬかにしみ込んだら、塩水の1/4をさらに加えて混ぜます。
ぬかに水分が染み込んだら、残りの塩水を1/4ずつ加え、混ぜていきます。
Step4:粘土くらいの硬さになるまで、塩水を加えて混ぜます。
ギュッと握ってみて、粘土くらいの硬さになったら、OKです。
まだ硬すぎるようであれば、湯冷ましを足してください。
Step5:容器に4のぬか床を半分入れ、昆布、赤唐辛子、干ししいたけを入れます。
縦長の容器なので、差してみました。
横長の容器なら、横に入れればいいです。
Step6:捨て漬け用の野菜を入れて、残りのぬか床を加えて手のひらでならします。
捨て漬け用の野菜がたっぷり入りました。
しいたけの軸の先もた~くさん。うまみがでるでしょうか。
残りのぬかを上にのせ、ギュっと押して平らにならします。
ぬかで、フタをするかんじですね。
おっと。横から見たら、すき間が空いていましたよ。
ぬかがまだ硬めなのと、捨て漬け野菜がたっぷりだからですね。
上から手のひらで、ギュギューっと押してみると…
すき間がなくなりました。ホッ。
野菜を入れる時に、ぬかを塗りつけるようにすると、すき間ができにくいと思いますよ。
透明容器だと、横からも観察できていいですね。
フタをして、冷暗所に保存します。
Step7:毎日1回底から返すように混ぜ、捨て漬け用の野菜がクタクタになるまで、5日ほど置きます。
翌日の様子です。
捨て漬けをいったん取り出し、ぬか床の上下を返すようにかき混ぜます。
ここでひとつ問題発生。
捨て漬けをそのままぬか床に入れたのは、失敗でした。
細かい野菜にぬかがまとわりついて、取り出すときに面倒このうえない。
捨て漬け用の野菜がくずなどで細かい場合は、お茶パックに入れて漬けるといいです。
取り出すのも簡単にできますよ。最近はもっぱらこの方法です。
かき混ぜたあとは、空気を抜くように手のひらで表面をギューッと押して、
ならしておきます。
ぬか床をかき混ぜたあとは、容器のまわりにぬかがいっぱいつきました。
この汚れは、カビの原因にもなりますので、
キッチンペーパーや濡れふきんなどで、きれいにふきとっておきます。
本漬けまでの期間は、冬場だったので2週間ほどかけました。
その間、捨て漬けを何度か繰り返しました。
3~5日ほどして野菜がクタクタになったら、
ギュッと絞って野菜の汁をぬか床に移します。
野菜のうまみをぬか床が吸って、おいしくなりますよ。
捨て漬けした野菜は、しょっぱくて食べられません。
試しにかじってみると、すご~くしょっぱいです。
そして、また新しい野菜を捨て漬けします。
Step8:捨て漬け用の野菜を取り出して、野菜を漬けます。
漬ける野菜は、はじめはきゅうりや大根、にんじんなどが定番です。
野菜をきれいに洗って、塩をまぶしてからぬか床に入れましょう。
Step9:野菜が柔らかくなったら、ぬか漬けのできあがりです。
手前から、赤い大根、黄色いにんじん、きゅうりを漬けてみました。
ぬかをサッと洗い落として、食べやすく切っていきます。
きゅうりは厚めに、歯ごたえのあるにんじんや大根は、薄めにスライスしました。
盛り付けて、さっそくいただきましょう。
ぬか漬けを食べてみる
ちょっと雑な盛り付けですね…
ぬか漬けはなるべく空気に触れないように、盛り付けるのがいいんですよ。
彩りがきれいで、食べるのにワクワク。
きゅうりは、まだちょっと早かったかな?
黄色いのはたくあんではなくて、黄色いにんじんです。
最近カラーにんじんが私のブームなんです。
大根もカラーだいこん。
どちらもほんのりした旨みが感じられて、ポリポリして美味しいです。
マズイ、ごはんが進みそう~。
若いぬか床なので旨みはまだまだですが、大事にぬか床を育てて、
もっともっと美味しくしていきたいと思います(^-^)
ぬか漬けを始める時期はいつがいい?
ぬか漬けはいつ始めてもOKなのですが、
管理しやすいのは気温が20℃~25℃くらいのときです。
初めての方は春や秋にスタートすると、
失敗もなく、早く本漬けまで進むことができます。
初めてのときは、不安になったり失敗しやすいものです。
できれば、楽に作れる春や秋に始めるといいですよ。
ぬか床の、毎日のお手入れ方法は?
常温で保存している場合は、1日1回お手入れします。
冷蔵庫に入れてある場合は、2日に1回のお手入れで済みます。
ただし、漬かるまでの時間が長くなります。
ぬか床は、ぬかをぐしゃぐしゃにかき混ぜるのではなく
「上のぬかと、下のぬかを入れかえる」イメージで、すみずみまで
手入れします。
ぬか床が熟成されて、「ぬか漬けが美味しくなってきた」と実感されたころに
ぬか床を味見してみましょう。
ぬか床は、少しくらい食べても問題ありません。
普段ぬか漬けを食べるときにぬかを落とすのは、しょっぱいというのもありますが、
おもにボソボソして食感が悪いからです。
美味しく漬かるぬか床が、どんな味であるか覚えておいて
時々チェックしてみるといいです。
ぬか床と長く付き合うためのお手入れ
ぬか床は、毎日のお手入れだけでは、元気がなくなることも。
水分が多くなったり、逆に少なくなったり。
酸味が強くなったり、変な匂いがしたり。
ぬか床は生き物です。
そんなときは、足しぬかをして、元気を取り戻しましょう。
ぬか漬けに何入れる?
いろいろな食材を入れるだけで楽しめるのも、ぬか漬けの魅力のひとつ。
定番から変わり種まで、漬け方とおおよその漬け時間の目安をご紹介します。
きゅうり
塩適量をすり込んで、
冬は8~9時間、夏は5~6時間が目安です。
なす
ヘタを切り落としてから、塩適量をすり込んで、
冬は1.5日、夏は1日が目安です。
にんじん
1本まるまるは時間がかかるので、縦半割にしてから漬けます。
皮は剥いても剥かなくてもお好みでどうぞ。
冬は1日、夏は10時間が目安です。
大根
1本まるまるは時間がかかるので、4つ割りにしてから漬けます。
皮は剥いても剥かなくてもお好みでどうぞ。
冬は1日、夏は10時間が目安です。
かぶ
皮はきれいならそのままで、葉は長めに切ります。
冬は1日、夏は10時間が目安です。葉は半分の時間で漬かります。
じゃがいも
皮付きのままラップして、1個につき3分ほどレンジ加熱します。
冷めたら皮付きのままで、漬けます。
冬は1日、夏場は傷みやすいのでやめておきましょう。
スイカの皮
皮が厚めのものがおススメ。
漬けやすい大きさに切って、外の固い皮は剥いておきます。
冬はスイカはあまり食べないでしょうが、8~10時間、夏は5~6時間が目安です。
りんご
半分に切って皮付きのままで漬けます。
冬は8~10時間、夏は5~6時間が目安です。
りんご、漬けてみました。
干ししいたけ
冬は1日、夏は10時間が目安です。
ゆでたまご
黄身までしっかりと固ゆでにして、殻をむいてから漬け込みます。
1日程度が目安。
ぬかの味が深くしみて、ごはんやパン、お酒のおつまみにも合います。
おわりに
今回は、生ぬかを使ってつくる、
ぬか床の作り方とぬか漬けの漬け方をご紹介しました。
母が漬けるぬか床を見ていましたが、
自分で漬けることになるとは思っていませんでした。
私は子供の頃から、漬物はあまり好きじゃなかったんです。
では、なぜ今ぬか床を始めたのか?
それは、自分で漬けると、塩分や酸味を自分の好みに調整できるから。
自分でぬか漬けをつけてみて、漬物が何故好きではなかったかがわかりました。
どうもしょっぱい漬物や甘すぎる漬物が苦手だったようです。
うす塩であったり甘さ控えめ、酸味もほどほどなお漬物は大好きだと、
改めて自分自身の好みを知ることができました。
漬け始めるまでは、ちょっとハードルが高めだと思っていたぬか漬けですが、
毎日かき混ぜるのも、習慣にしてしまえばそんなに面倒でもなくなるものですね。
何より、おかずが寂しいときのあと一品にもになり、助かっています。
ごはんが美味しく食べられるお漬物は、
我が家の食卓に無くてはならないものになりました。
ちなみに、今回使った縦長のタッパーですが、幅が細すぎて
かき混ぜるのが面倒でした。ぬかがこぼれまくりました
冷蔵庫の野菜室への収まりは、最高なんですが…。
そんなわけで、保存容器は幅が広いものの方が、混ぜやすくておすすめです。
もし、「ぬか漬けを始めてみたいけど、面倒そう」
と思われた方は、市販の熟成済のぬか床を使ってみると、
私のように病みつきになるかもしれません。
今回は家にあったタッパーで手軽に漬け始めましたが
「私、形から入るのよね」ってゆうあなたには
こんなホーローの容器が、オシャレでおすすめです。管理人も欲しいです。