毎日ぬか床に野菜を漬けていると、ぬかが少なくなってきますよね。
水分が多くなったり、酸っぱくなったりいや~な臭いがすることも。
そんなぬか床が不調の時は、「足しぬか」をしましょう。
乳酸菌や酢酸菌などの、発酵のバランスが悪くなったぬか床が、
元気を取り戻してぬか漬けも美味しくなりますよ。
足しぬかのやり方は簡単です。
「ぬか床にぬかを足して、塩を加えて混ぜるだけ」です。
ぬか床は長く漬けていると、野菜の水分がでてゆるくなりがちです。
酸っぱくなったり臭くなったりもします。
酸っぱくなるのは乳酸菌が増え過ぎたから。
ヨーグルトが酸っぱくなるのと同じ理由で、
足しぬかをしたり、ぬか床を入れかえることで、
鮮度を保って酸味を減らすことができますよ。
今回は、
「ぬか床を作ったけど、ぬかが減ってきて、どうしたらいいのか分からない」
という場合に使える、足しぬかの方法をご紹介します。
足しぬかのやり方
ぬか床を作ったけど、「足しぬかの方法は知らない」という方が、結構いらっしゃいます。
ぬか床のぬかが少なくなってきたら、どんどん足しぬかをしてあげましょう。
「どんなときに、足しぬかをするといいか」を覚えておくと、困った時にもすぐに対処ができますよ。
ぬか床が酸っぱくなった時は、こちらの記事の方法で対処を
【材料】
〇 生ぬか・・・ぬか床の20%程度(今回は300g)
〇 自然塩・・・足す生ぬかの10%(今回は30g)
〇 湯冷まし・・・適量
【作り方】
- 生ぬかをぬか床に加えます。
- 加えた生ぬかの10%の塩を加えて、よく混ぜます。
- パサつくようなら、湯冷ましを少量ずつ加えて混ぜます。
- 元のぬか床となじんだら、2~3日休ませます。
- 表面に白い産膜酵母(さんまくこうぼ)が薄く張ったら、乳酸菌が増えた合図です。野菜を漬けはじめましょう。
写真をもとに、詳しくご説明します。
まずは、ぬか床のご紹介です。
以前ぬか床の作り方を書いたときのものですが、夏場に野菜室に入れたいと思い
縦長のスリムなタッパーを使っていました。
しかし、これがスリムすぎて混ぜにくかったんです。
かき混ぜるたびに、手が大きいためか、ぬかがポロポロまわりにこぼれます。
また、ぬか床のお手入れは、かき混ぜるというよりもぬかの上下を返すように、入れかえるのが良いんです。
でもこのタッパーでは混ぜにくくて、上下を返すどころか、ぐしゃぐしゃになってしまったんですよね。
あまりに混ぜにくいため、今回は「足しぬか」をしながら、ぬか床を別の容器にお引越しすることにしました。
表面には酸素が好きな産膜酵母、底には酸素があると生きられない酪酸菌が棲息しやすくなり、これらが増えすぎると、ぬか床の香りを悪くしてしまいます。
繁殖を抑えるためには、ぬか床の上下を入れかえるように混ぜるのがポイントです。
左は今までのぬか床。縦長でスリムですが、1.9L入ります。
右は混ぜやすそうな、新しいぬか床です。こちらは薄型で3L。
すごく場所を取りそうですけどね。
Step1:生ぬかをぬか床に加えます。
まずは、ぬか床をお引越しさせました。
広々として、快適そうになりました。
ただ、ぬか床の量がタッパーの半分以下になってしまいました。
ここに生ぬかを足します。
一度に加える生ぬかは、もとのぬか床の20%くらいまでにしましょう。
1キロのぬか床なら、200g程度までです。
今回は、大きいタッパーに引っ越ししたため、300g追加しました。
生ぬかが手に入らない場合は、風味の点で劣りますが炒りぬかでもかまいませんよ。
生ぬかは、お米を精米して販売しているお米やさんなどで手に入りますよ。近くのお店を探してみてね。
Step2:加えた生ぬかの10%の塩を加えて、よく混ぜます。
ぬか300gに対して、31gの塩を加えました。
今回は順番に加えていますが、ぬかと塩をよく混ぜあわせてからぬか床に加えた方が、まんべんなく混ぜることができるので、おススメです。
塩は、精製されたものよりも自然塩がおススメです。
管理人はにがりを含んだ「あら塩」を使っています。
「漬物用」と書かれたお塩もありますので、お好みでどうぞ。
ぬか床に入れてあった唐辛子や昆布がなくなっていたら、ここで一緒に追加しておくといいです。
いつも美味しいぬか漬けを漬けてくれる、ぬか床へのご褒美ですね。
Step3:パサつくようなら、湯冷ましを少量ずつ加えて混ぜます。
元もとのぬか床が水っぽかったら、水分は必要ありません。
ギュッと握ってボロボロとこぼれるくらいが、ちょうど良い硬さです。
Step4:元のぬか床となじんだら、2~3日休ませます。
最後に表面を手のひらで押して、中の空気を抜いて平らにならしておきます。
これは、酸素が少ない環境を好む乳酸菌に、しっかり働いてもらうためです。
2~3日は野菜を漬けたり、かき混ぜたりせずに、熟成を待ちましょう。
Step5:表面に白い産膜酵母(さんまくこうぼ)が薄く張ったら、乳酸菌が増えた合図です。野菜を漬けはじめましょう。
きゅうり、だいこん、にんじんなど、お好きな野菜を漬けましょう。
管理人は野菜をいったん干してから、漬けています。
そのため皮の色がちょっと悪いのですが、ほんの少しのあいだでも干した方が断然美味しくなります。きゅうりとピンクの大根、黄色い人参を漬けてみました。
にんじんの皮は、ぬか床に入れると酸化して皮の色が黒くなるので、気になる方は皮をむいてから入れて下さいね。
ぬか床からは、フルーティーな、とっても良い匂いがしています。
ぬか床をそのまま食べたいくらいの香りです。
乳酸菌と酪酸菌のバランスが取れていると、こんな良い香りになるんですね。
おわりに
今回は、ぬか床の足しぬかのやり方について、ご紹介しました。
ぬか床は、生き物です。
乳酸菌や酪酸菌が一生懸命働いて、漬けたものを美味しくしてくれます。
ぬか床は、なにも漬けなかったりぬかが減ってきたりすると、働きが悪くなり、この状態ではせっかく野菜を漬けても、風味が悪くなったり漬かりにくくなったりします。
毎日かき混ぜて、ぬかが減ってきたら足してあげるようにすると、おいしいぬか漬けを永遠に作ってくれますよ。
「あまりたくさんは漬けないのよね」という方も、今あるぬかを少し捨てて、新しいぬかを足すことで、ぬか床の鮮度が良くなり、風味がよみがえりますよ。
ぬか漬けを始めたばかりの頃は、うっかり混ぜるのを忘れそうになったりもしました。
でも今ではあの香りを嗅ぐのが待ち遠しくて、毎日の習慣になりました。
夏になると発酵しすぎによる臭いが心配なので、野菜室に入れる予定です。
暑い季節に常温でぬか床を保存するなら、1日に2~3回混ぜてあげれば大丈夫です。
夏場を上手く乗り切れば、一年中ぬか漬けを美味しく食べられそうですね。
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