毎日ぬか漬けをつけていると
「ぬか漬けが酸っぱくて、美味しく感じられない」
こんなときも、ありますよね。
「毎日かき混ぜてるのに、何故?」
なんて思っちゃいますよね。
そんなときは、ぬか床の毎日のお手入れが原因かもしれませんよ。
今回は、ぬか漬けが酸っぱくなった原因と、酸味を抑える対処法をご紹介します。
ぬか漬けが酸っぱくなる原因は?
ぬか漬けが酸っぱくて食べにくくなったり、ぬか床のにおいがすごく酸っぱくなってくるのは、ぬか床の乳酸菌が活発になり、乳酸が増え過ぎたことによるものです。食べたときに、舌にピリピリとした刺激を感じることもあります。
ぬか床には乳酸菌が必要不可欠なんですが、増え過ぎてしまうことで、強い酸味のぬか漬けになってしまうんですね。
ではなぜ、乳酸菌が増え過ぎてしまうのか?
それには、温度とぬか床のお手入れの方法が関係しています。
ぬか床の乳酸菌は、20~25℃の環境においてあげるのが、いちばん適した温度です。
気温が高くなる夏場などは、冷房した室内であっても、適温の25℃を超えてしまうことがあります。そうなるとどうしても乳酸菌が働きを強め、酸っぱくなりがちになります。
また、ぬか床のかき混ぜ方が足りないと、空気を嫌う乳酸菌がどんどん増えて酸味成分を多く作り出してしまいます。
このため、ぬか床は酸味がつよいぬか床になり、そこで漬けたぬか漬けも、酸っぱくなってしまうんですね。
ぬか漬けは酸っぱくても、食べるのに支障はありません。むしろ乳酸菌がたっぷりと付いたぬか漬けなので、健康にはより効果がありそうです。
短時間で古漬けのような味わいがえられるので、「すっぱくなった古漬けが好き」な方には好都合かもしれませんね。
ですが、「あまりに酸っぱすぎるのは苦手」という方もいらっしゃいますよね。
食べものは、美味しくいただくのが一番!
なんとか、ぬか床の酸っぱさを取り除いて、美味しいぬか漬けを食べて欲しいです。
そこでつぎに、酸っぱくなったぬか床の酸味をとる方法についてご紹介していきます。
酸っぱくなったぬか床-酸味をとるには?
乳酸菌が増えすぎて酸っぱくなってしまったぬか床。
少しの酸味ならおいしいと思えるのですが、酸っぱすぎるとちょっと食べづらいですよね。
そこで、酸っぱくなったぬか床の酸味をとる方法をご紹介します。
ぬか床の状態によって、対処法もさまざま。まずは、今のぬか床の状態を見てみて、対処法を考えていきましょう。
ぬか床に塩を足す
塩分が乳酸菌の繁殖を抑制してくれます。
塩を入れる量ですが、それぞれのお宅のぬか床の状態によって、やはり違ってきます。
足す塩の量を知るためには、ぬか床からぬかを少し取り出して、なめてみましょう。
熟成された健康なぬか床は、食べてもまったく問題ありません。
「少ししょっぱいな」くらいが、ぬか床に適した塩分濃度です。
いまは酸っぱさもあるかもしれませんけどね(^-^)
「しょっぱさが足りない」と感じたら、塩を足してみましょう。
どうでしたか? 塩分は大丈夫でした?
味見してみて、塩分が程よい状態のぬか床の場合は、他の対処法が必要です。
また「塩分が足りなくて足した」という場合であっても、他の対処法とくみ合わせることで、早く酸味をとることができるかも知れませんね。
ここからは、お家にあるものや手に入りやすいものを選んで、ぬか床に入れてみてください。
まずはじめにやってほしいのが、ぬか床の中から漬けてあったものをすべて取り出すこと。それから、それぞれの対処法を見ていきますよ。
ぬか床に粉からしを入れる
からしには、すっぱさの原因となる乳酸菌の繁殖を抑えてくれる働きがあります。だいたい大さじ1杯くらいの粉からしをぬか床に入れて、全体をよく混ぜましょう。
ぬか床の酸味が強いときというのは、乳酸が増え過ぎた状態です。アルカリ性のものをいれることで、ぬか床の中が中和されて酸味が和らぎますよ。
ぬか床に卵の殻を入れる
卵の殻のカルシウムはアルカリ性。増え過ぎた乳酸を中和してくれます。
ゆで卵の殻をむいて、内側のうす皮をむいてよく乾燥させます。乾燥したら卵の殻をくだいて加え、ぬか床をよく混ぜましょう。
卵の殻にはサルモネラ菌が付着している可能性があります。でも大丈夫、ゆで卵をゆでた時や酸性のぬか床に入れることで、死滅します。ただし生の卵の殻を使う場合は、ゆで卵をゆでるくらいの時間しっかりと熱湯で煮沸消毒してから使いましょう。
ぬか床にきな粉を入れる
きな粉もアルカリ性食品です。乳酸菌の増加で酸性になったぬか床のなかを中和してくれます。きな粉を大さじ1ほど加えて、ぬか床をよく混ぜましょう。
ぬか床に重曹を入れる
弱アルカリ性の重曹(お料理用)をいれることで、酸性に傾いたぬか床のなかを中和してくれます。
入れ方は重曹を小さじ1杯ほどを加えてよく混ぜるだけ。
入れすぎてしまうとアルカリ性に傾きすぎて乳酸菌が弱まり、腐敗してしまう可能性もあります。入れる量には注意して、少しずつ試していくといいですね。
ぬか床に日本酒かビールを入れる
日本酒やビールを加えることによって、すっぱさを和らげ、まろやかにすることができます。
残り物のビールや日本酒を、50mlくらい加え、ゆるくなった分だけぬかを足します。味見してみて足りないようなら、塩も少し足しましょう。あとはよく混ぜておきましょう。
※日本酒の場合はアルコール度数が高いので、アルコール臭が残ることがあります。お酒に弱い方は、煮切ってから入れると気にならなくなります。
ぬか床を涼しい場所で休ませる
何かを余分に入れたくない、家に何もない、そんなときはまずは涼しい場所で休ませてあげましょう。
ぬか床は毎日ぬか漬けをつくり続けて、お疲れ気味です。2~3日休ませるだけで、元気を取り戻すこともあります。
夏場であれば、冷蔵庫に入れて休ませるのもいいですよ。
酸っぱいぬか床の、再生方法をご紹介しました。
それぞれお好みのものを入れた後は、食材は何も入れないで2~3日ぬか床を休ませてあげてください。
でもその間も、毎日かき混ぜるのはお休みできませんよ。ここをさぼってしまうと、またぬか床の状態が悪くなってしまうかもしれません。
この間は、なるべく涼しい場所で休ませてあげましょう。
ぬか漬けを酸っぱくしない、日々のお手入れ
「ぬか漬けが酸っぱくなってしまった」
そんなときは、ぬか床のお手入れ方法が間違っているのかも。
まずはぬか床のお手入れ方法を、もういちど見直してみましょう。
- 20~25℃の涼しい環境に置く(夏場は野菜室でも)
- ふだんは1日1回。25℃を超えるような場合は、2~3回かき混ぜる
- ときどき、ぬか床の味見をする
- 味見でぬか床の塩分が少なくなってきたと思ったら、適量の塩を足す
- 水分が多くなってきたら、すぐに取り除く
- ぬかが減ってきたら、足しぬかをする
いかがでしょうか。できてましたか?
ぬか床の味見は、ときどきすることで、ぬか床の健康チェックができます。ぬか漬けが美味しく漬かっている時のぬか床の味を覚えておくと、異変にすぐに気づくことができますよ。
また、発酵食品にとって「におい」はとても大切です。
「おいしくない香り」は危険のサイン。すぐに適切な対処をしましょう。
これらのお手入れを徹底しておけば、ぬか床の状態を悪くしてしまうことはそうそうなくなります。
まとめ
ぬか漬けが酸っぱいときの原因と対処法について、ご紹介しました。
ぬか床は生き物。毎日手入れをすることで、半永久的にぬか漬けを作り続けることができます。
酸っぱくなるのは、温度とお手入れが原因のことが多いです。
「暑い季節はぬか床を涼しい場所に移し、1日に何度も混ぜる。」
これに気をつけた上で、お伝えした方法でぬか床の酸味を抑えることで、ぬか漬けの酸っぱさも薄れてきます。
ぬか漬けが酸っぱくても、酸味が気にならなければ食べられます。
「ぬか漬けが酸っぱくて、美味しく感じられない」
そんなときは、今回ご紹介した方法でぬか床の酸味を取り除いて、ぬか漬けを美味しくいただきましょう。
足しぬかの方法はこちら!