ハロウィンといえば、お菓子に仮装、そしてかぼちゃのランタンが思い浮かびます。ハロウィンの装飾には色んな顔をしたかぼちゃがありますよね。
このかぼちゃのランタン、アメリカやイギリスなど本格的にハロウィンのお祝いを行っている国では、手作りしています。
今回はこのかぼちゃのランタンの作り方と、なぜかぼちゃのランタンを飾るのかを、ハロウィンの起源と合わせてご紹介します。
なぜかぼちゃのランタンを飾るの?
そもそもなぜかぼちゃのランタンがハロウィンで飾りに用いられているのかご存知でしょうか。ハロウィンの始まりは、古代ケルト人の収穫祭と大晦日を合わせたようなお祭りが起源。
ケルト民族の習わしでは、11月1日が新しい年の始まりで、10月31日はその前夜、つまり日本でいうところの大晦日にあたります。一年の終わりのこの日、死者の魂が戻ってくると信じられており、収穫祭をすることで死者の魂を弔い、同じ時期にやってくる精霊や悪霊を追い払う魔除けの意味もあったようです。
このときに、悪霊を追い払う目的で使ったのがカボチャの提灯です。カボチャを怖い顔にくりぬき、そこに聖なる火を灯すことで、悪い霊を追い払う魔除けなると考えられていたのです。
カボチャの提灯は、ジャック・オー・ランタン(ジャックオランタン)と呼ばれています。
ジャック・オー・ランタンとは?
昔、悪いことばかりするジャックという男がおりました。あるハロウィンの夜、ジャックの前に地獄からやって来た悪魔が現れ、魂を奪おうとしました。ところが、悪魔はずる賢いジャックに騙されて、「今後10年間はお前の魂を取らない」と約束をさせられます。
その10年後、再びジャックの前に現れた悪魔はまたまたジャックに騙されて、「二度とお前の魂を取らない」と約束します。
ジャックが寿命で死んだとき、生前の行いが悪かったため、天国へ行くことは許されませんでした。しかし、悪魔との契約によって地獄へ行くこともできません。
行く場所が見つけられないジャックが悪魔にどうしたらいいかを尋ねると、悪魔は「元の場所へ戻れ」と言いました。
来た道は暗く、途方に暮れたジャックは悪魔に懇願し、地獄の炎を少し分けてもらうことができました。ジャックはその火を消さないように、道端に萎びて転がっていたカブをくり抜いてランタンを作り、これに灯しました。
「元の場所へ戻る」と言っても生き返ることはできません。ジャックはランタンを手に、生者と死者を隔てる境目を今でも彷徨っているそうです。これがジャック・オー・ランタンの伝説です。
※ジャック・オー・ランタンの由来にはいくつかの説があります。
カブがかぼちゃに変化した理由は..
本来のランタンはカブをくり抜いて作られていました。ハロウィンがアメリカへ伝わった際に、当時馴染みのなかったカブから栽培が盛んだったかぼちゃに変わり、それがそのまま世界に広まりました。
ジャック・オー・ランタンを作ってみよう
ジャック・オー・ランタンは、オレンジ色のカボチャをくりぬき、ナイフで目・鼻・口をつけ、内側に火のついたろうそくを立てるもので、最もハロウィンらしいシンボルになっています。
ハロウィンを祝う家庭では、悪い霊を怖がらせて追い払うため、ハロウィンの晩に家の戸口の上り段にこのジャック・オー・ランタンを置く光景が見られます。
ジャック・オー・ランタンの作り方
用意するもの
丸ごとのかぼちゃ、マジック、ナイフ、スプーンやおたま
- まず、かぼちゃの上部を切り取ります。種をかきだす必要があるので、手が入るくらいの大きさにしましょう。
- 種とワタをスプーンやおたま、手などできれいに掻き出します。
- マジックでかぼちゃにお好きなデザインの顔を書きます。
- ナイフで書いたパーツの輪郭に切り込みをいれ、指で裏からグイグイと押しこみくり抜きます。
- 最後に風通しの良い場所で、乾燥させて完成です。
カットすると3~4日ほどで腐り始めてしまいます。せっかく作ったジャック・オー・ランタン、ここでよく乾燥させて少しでも長持ちさせましょう。
おわりに
今回はジャック・オー・ランタンの由来や作り方についてご紹介しました。
ハロウィンの時期になるとスーパーや食料品店などで、お化けかぼちゃを飾ってるのを見かけることがあります。
「重さは何キロ?」といったクイズイベントに使われるのが多いようですが、せっかくのお化けかぼちゃですから、ぜひとも「ジャック・オー・ランタンを作ってみよう」的なイベントにして、より盛り上げてもらいたいなぁと思います。楽しそうですよね。
日本では、仮装してイベントに参加するのがハロウィンだと思っている方が多いと思いますが、ハロウィンの由来を知って、本家アイルランドでのハロウィンの祝い方を取り入れてみると、新しいハロウィンの楽しみ方が見つかるかもしれませんね。